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ネイティブチェック(スラングチェック)の実際
現在、登録商標の数は170万件を超え、商標制度も始まって以来100年を超えています。良い意味で、しかも短い英単語などは、ほぼ登録済みといってよい状況です。
その結果、ネーミングを開発するときに、どうしてもフランス語やイタリア語などを使用したり、造語したりする必要に迫られています。この場合に気をつけないといけない事が、ネイティブチェックの必要性です。ネーミングを2ワードにしたり造語した結果、思わぬ意味を持ってくる事があるからです。下記はネイティブチェックの一例です。
● グランメール / レストラン名(フランス語)
シーフードレストランの計画がありました。オーナーは「大きな海」をイメージしましたが、BIG SEA やBIG OCEAN では面白くなかったので、フランス語でGRAND(グラン:大きな)とMER(メール:海)をくっつけて、「グランメール」とネーミングされました。濁音も入って力強い音感で良い響きです。
ネイティブチェックのご依頼が来たので各言語で調べてみると、フランス人から「うんこ(merde)に聞こえる」と返事が来ました。レストランの店名を変えられたのはいうまでもありません。
● ロボ / 産業ロボット(スペイン語)
ロボットの略称である「ロボ」は、さまざまな産業用機器でよく使いたくなるワードです。でも「robo」はスペイン語では「盗難」の意味になってしまいます。そうすると映画で有名なロボコップは、泥棒警官?
産業ロボットなどはヨーロッパなどへも輸出する機会が多く、また、中南米などでもスペイン語は広く使われているので要注意です。
● EX / 商品サブネーム(英語、記号)
商品がヒットして進化していくにつれ、さまざまなサブネームが出てきます。そして時々、二文字の記号などが使われるケースがあります。アルファベット二文字は商標的に登録性がないので使用上、便利なのです。
EXは、日本では、EXCELLENT(優秀な)の略称としてよく使われています。しかしアメリカでは
EX-WIFE(前妻)、EX-GIRLFRIEND(元彼)など、元の、別れた、古い、などといった意味で使われます。アメリカでは、新製品には向かない言葉です。
最近は海外に市場を求めて輸出される製品も多いですし、日本にも多くの外国人の方が来られています。新製品の発売前には、ネイティブチェックを済ませておきましょう。
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