最新ネーミング事情Vol.89
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アニメや特撮から生まれた日本語

「言葉は時代とともに変化する」と言われていますが、そのきっかけが子供の頃に慣れ親しんだ、アニメや特撮作品からというものが多数存在します。
今回は、辞書(※)にも載っている、アニメや特撮由来の言葉を取り上げてみました。
※意味は小学館『大辞泉』より引用

【怪獣】多く恐竜に模して創作した、巨大な動物
上記の意味で用いられるようになったのは、1954年の映画『ゴジラ』の元ネタであるアメリカ映画『原子怪獣現る(原題:The Beast from 20,000 Fathoms)』が最初のようです。
もともとは「正体の知れない不思議な動物」という意味で、大きさは関係ありませんでした。
ちなみに、今年公開の『シン・ゴジラ』の舞台では「怪獣」という概念が存在しない設定となっており、「巨大不明生物」という呼称に統一されています。

【ツインテール】髪を後頭部で二つに束ね、肩のあたりに掛かるように垂らすもの
この語源も実は怪獣からです。1971年の特撮番組『帰ってきたウルトラマン』に登場する、尻尾が2本ある怪獣「ツインテール」がその語源で、後に「ポニーテール(馬=尻尾が1本)」に関連付ける形で、髪型の名称として呼ばれ始めたそうです。
怪獣のほうの「ツインテール」は株式会社円谷プロダクションが商標登録しています(28類/おもちゃ)。

【変身】他のものに姿を変えること
現在の「“ヒーロー”に姿を変える」という意味で認識されるようになったのは、1971年の特撮番組『仮面ライダー』からで、それまではフランツ・カフカの小説『変身』のように、単に「姿を変える」という意味のほうが一般的だったようです。
ちなみに「変身」は株式会社バンダイの登録商標(28類/おもちゃなど)です。

【黒歴史】俗に、人には言えない過去の恥ずかしい言動

この言葉が生まれたのは1999年のアニメ作品『∀ガンダム』で、意外にも平成に入ってからです。劇中では、歴代のガンダム作品の戦争の歴史を包括して「黒歴史」と呼んでいます。
ここから転じて「無かったことにしたい過去」という意味で、インターネット掲示板を中心に使われ始めました。当時はインターネット黎明期であり、ネットスラングが一般にも定着した元祖と言えるかもしれません。
2016年9月更新
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