最新ネーミング事情Vol.6

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日本語のアルファベット化

Vol.3では、ネーミングにおける様々な言語の特性をご紹介しましたが、やはり、私たちの母国語である日本語の持つ力も見逃すことは出来ません。

私たちがこれまで慣れ親しんできた言葉ですので、分かりやすく、覚えやすいネーミングが可能です。しかし、オシャレさを重視した商品など、ケースによっては、ひらがな・漢字で表記してしまうと、スタイリッシュさが失われてしまうという理由で、日本語が敬遠されることもあります。日本人にとって、英字ネーミング=スタイリッシュと認識される傾向があるようです(ちなみに、海外では漢字がスタイリッシュだと好まれ、漢字が書かれたTシャツを着る人や、タトゥーを入れる人もいるそうです。)。

そこで、日本語の分かりやすさを生かしつつ、スタイリッシュにできる表現方法が、「日本語のアルファベット化」です。

例えば、【TSUBAKI】(資生堂)は、日本人に古来より知られていた「椿油」というキーワードを、アルファベット化することによって現代に合ったスタイリッシュなネーミングへ落とし込むことに成功しています。 他にも、【Kei (軽)】(スズキ)、【MUKU (無垢)】(森永乳業)、【JOBA (乗馬)】(パナソニック)、【Gokuri (ごくり)】(サントリー)などが、日本語アルファベット化ネーミングの好例と言えます。

また、日本語のアルファベット化は、通常の英単語より比較的文字数が少なく、母音・子音を はっきり表記しているため、頭文字展開がしやすいというメリットもあります。語源に説得力を持たせつつ、覚えやすい表現が可能です。

例として、
【MiSEL(魅せる、Modern interior SELect)】(大建工業)、 【docomo(どこも、DO COmmunications over the MObile Network)】(NTTドコモ)、 【ICOCA(行こか、IC Operating CArd)】などがあります。 最近では、【OMOTENASHI】(日産自動車)、【MOTTAINAI】(毎日新聞社)など、ネーミングだけでなく、キャッチフレーズやスローガンにおいても日本語のアルファベット化が見られ、新しい表現方法として注目され始めています。

2009年5月更新
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