最新ネーミング事情Vol.136 NNR

将棋のタイトルに関するエトセトラ

先月、将棋の藤井聡太七段が棋聖戦を制し、史上最年少でのタイトル獲得が大きな話題となりました。
ところで、将棋には棋聖を含め8つのタイトル戦が存在します。今回は各タイトル名の由来などについてまとめてみました。

竜王
優勝賞金が最も高額で、後述の「名人」とともに別格のタイトルとされています。「竜王は将棋の駒の中で、最強の働きをする(飛車が成ったもの)」、「竜は古来、中国では皇帝のシンボルで貴いものを表す」という理由で決められた名称だそうです。

名人
戦前より続く、もっとも歴史あるタイトルです。江戸時代はタイトル戦でなく「特に優れた棋士に贈られる称号」として当時の家元が世襲制で名乗っていたそうです。

叡王(えいおう)
最も新しい(2017年)タイトルです。WEBによる公募と投票という、現代ならではのアプローチで決められました。「叡」という字には、「明らか、聡明、物の道理に通じた」という意味があり、「知恵や叡智を競う将棋の頂点に相応しい称号」として考えられたとのことです。

王位
藤井七段が現在2冠目に挑戦中のタイトルで、8月頭に第3戦が行われる予定です。タイトル名の由来は文字通り「王の位、帝位」から来ているものと思われます。

王座
「王の地位」「首位の座」を意味する言葉です。ご存知、羽生善治九段が1992年から2011年という長きにわたりタイトルホルダーでした。

棋王
「将棋の王」が語源と考えられます。漢語にも同様の意味で「棋王」という言葉が存在し、中国の将棋に当たる「シャンチー」や、海外の囲碁の称号に用いられています。

王将
名人戦に次ぐ歴史を誇るタイトルで、由来はその名の通り、駒の「王将」から。現在は外食餃子チェーンの「大阪王将」がスポンサーについており、正式名称は「大阪王将杯王将戦」です。

棋聖
もともと「囲碁・将棋で、技量の特にすぐれた人」という意味ですが、特に将棋においては江戸時代の将棋指し、天野宗歩に与えられた称号が由来と言われています。また、将棋では最も下の序列ですが、囲碁では序列1位となっています。
2020年8月更新
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