2020年9月のコラムで、動画配信・共有サイトについて取り上げましたが、最近はライブイベントでも、オンライン配信の流れが進んでいます。
年末年始は多くのライブがオンライン、もしくは、リアルとオンラインのハイブリッドで行われました。音楽はもちろん、演劇やミュージカル、ヒーローショーに至るまで、ジャンルは多岐にわたります。
また、無料や月額課金のイメージが強いYouTubeのような一般動画サイトと異なり、有料配信・都度課金に特化したプラットフォームが選ばれるケースが多いのも特徴です。 今回は、そんな有料ライブ配信サイトのネーミングについて考察していきます。
■基本は「シンプルな英単語」、キーワードは「STREAMING」、「LIVE」
全体的に造語ではなく、シンプルな英単語の組み合わせが多い印象です。
特に目につく単語が「STREAMING(インターネット上の動画や音声などのデータをダウンロードしながら同時に再生すること)」と「LIVE(生放送、生演奏)」で、やはりサービス内容が最も分かりやすいワードが選ばれているようです。
コロナ禍では、直感的に分かりやすいネーミングが消費者に好まれるということもありますが、有料ライブ配信サービス自体、どれも2020年の緊急事態宣言以降に短期間で立ち上がったものが多く、事業者側としてもブランド構築にかけられる時間や労力が限られていたものと推察されます。
・Streaming+(ストリーミングプラス)
・StreamPass
・LIVEWIRE
・LIVE LOVERS
・新体感ライブCONNECT
また、既存のサービスや企業ブランドがある場合、それを冠とすることで信頼感を高めている事例も見受けられます。この場合も付随するワードはやはり「STREAMING」や「LIVE」が多く使われています。
・PIA LIVE STREAM/チケットぴあ
・LINE LIVE-VIEWING/LINE
・ABEMA PPV ONLINE LIVE/AbemaTV
・SHOWROOMプレミアムライブ/SHOWROOM
■その他の例
・Stagecrowd
「CLOUD(クラウドコンピューティング)」ではなく、「CROWD(群衆)」である理由は明言されていませんが、ライブの理想像を「CROWD」という言葉で表現しているものと思われます。
また、海外で「StageCloud」という名称のサービスが既に存在しているのも理由かもしれません。
・SPWN(スポーン)
「SPAWN(コンピューターゲームで、プレーヤーキャラクターや他のキャラクターが登場すること)」が語源とのこと。
他社と比べアニメやゲームなどを多く扱っており、独自色を打ち出していることが窺えます。
・#オンラインライブハウス_仮
「仮」というのは正式名称が決まっていないのではなく、発起人の柳井貢氏のコラムによると、「あくまでライブハウスに完全に取って代わるモノになろうとしている訳ではなく、オンラインでやれるコト、生み出せるモノとしての存在としての意思を込めてみました」とのことです。