新型コロナウイルスワクチンの摂取が進む一方で、発熱や、腕の痛みなど、副反応が話題となっています。
そのため、一部ドラッグストアでは、解熱鎮痛薬の品薄も生じているそうです。
これまで、比較的女性がターゲットになりがちだった解熱鎮痛薬が、老若男女問わずここまで注目されたのは過去に例がないかもしれません。
今回は、ドラッグストアで見かけることの多い、解熱鎮痛薬のネーミングの由来について取り上げてみました。
- ロキソニン(第一三共ヘルスケア)
一般名の「ロキソプロフェンナトリウム」から
ロキソプロフェンが、市販薬として使用を認められたのは2011年と比較的新しい部類ですが、日本では既に絶大な支持を得ています。
ロキソプロフェンを配合した後発品も複数存在するものの、現状では「ロキソプロフェン = ロキソニン」というくらい代名詞的な存在として認知している人も多いのではないでしょうか。
- イブ(エスエス製薬)
「『イブプロフェン』を日本で初めて市販薬に配合」、と公式サイトにも記述があるため、ロキソニンと同様、一般名の「イブプロフェン」が由来であると推察されますが、特に公式の見解は示されていないようです。
また、「イブプロフェン」の英語表記が「IBUPROFEN」であるのに対し、「イブ」の英語表記は「EVE」となっています。これについても理由は明らかになっていません。
長年続く有名ブランドですが、そのルーツは意外にも謎に包まれています。
- バファリン(ライオン)
“緩和するもの”という意味の「BUFFER」と「ASPIRIN(アセチルサリチル酸)」の造語
アスピリンは解熱鎮痛効果がある一方、胃を荒らすというデメリットがあります。
そこで、バファリンには胃の粘膜を保護する成分が配合されているのですが、有名なキャッチコピー「バファリンの半分はやさしさでできている」の「やさしさ」こそが、この「BUFFER = 胃腸への負担を緩和するもの」なのです。
なお、現在「バファリン」シリーズは主成分がアスピリンでないものもあるため、注意が必要です。
- セデス(シオノギヘルスケア)
鎮痛を意味する英語「SEDATIVE」を元に、読みやすく、印象に残る名称ということで回文スペルの製品名「SEDES」にアレンジ
LIXIL(建材・住設メーカー)、SAVAS(プロテイン)、AVIVA(パソコン教室)など、回文での表現は、キャッチーさを出すのに有効な手法です。
- ナロン(大正製薬)
「明日はよくなろう」の「なろう」から
医薬品は上記のようなダジャレっぽい表現も意外と用いられており、医療用の鎮痛薬として有名な「カロナール(あゆみ製薬)」も「熱や痛みがとれて軽く、楽になる」をもじったものが語源となっています。