日清食品株式会社(以下、日清食品)のカップメシシリーズを牽引するカレーメシ。
前身となるカップカレーライスの発売(2013年9月)からたった半年で改名し、その後ヒットを続けています。その背景には、レンジ調理から湯切り調理への変更も大きかったそうですが、今回はネーミングの観点からカレーメシを考察していきます。
まず改名というと、売り上げ不振が原因だと思われがちですが、カップカレーライスは売れていなかったというわけではありません。しかし、それ以上に「もっと売れるはず」という商品への絶対的な自信があったからこそ、カップカレーライスの発売から半年で改名をしたそうです。
なぜ発売半年で改名を決断できたのか?
そこには日清食品が掲げる行動精神が影響しています。「日清10則」としてまとめられた10カ条の中に『迷ったら突き進め。間違ったらすぐ戻れ。』という言葉があります。
仕事にはスピードと決断が必要不可欠。リスクを恐れて逃げるのではなく、自分を信じて挑戦し、間違いだと気づいたら戻ればいい。ということだそうです。
それに加え、ブランドマネージャーが直接トップと話せる定例ミーティングが用意されているため、すべてにおいて意思決定が早いのも日清食品の強みとなっています。
■ターゲティング
カレーメシのターゲットは20代~30代のワカモノ層を想定しており、実際の購買層も30代以下の割合が高いといいます。他の即席加工米飯類とは一線をひいて20~30代に特化したブランディングや広告戦略を進めてきた結果です。
■ブランドファイトシステム
日清食品には、ブランドファイトシステムという制度があります。ロイヤリティーを支払えば、他ブランドを使った商品の企画ができるというもので、『カップヌードル ぶっこみ飯』もこのシステムを利用して開発されました。社内競争を活発化させることで、新しい価値の創造はもちろんのこと、既存ブランドの市場価値を高めるなどの相乗効果があるようです。