News Letter

VOL.152 逆輸入のヒット商品

ヒットのチャンスは日頃、どんなところに転がっているかわかりません。
グローバルを視野に入れて海外に進出する事で、その後、逆輸入の形で日本でのヒットに繋がった例をピックアップしました。

「世界のニーズ」を「日本のニーズ」に ‥ 蚊取空清/SHARP
マレーシアやその周辺国では「蚊」の問題は深刻で、人に対していちばん危害を及ぼしていました。現地からの要望から6年の歳月をかけ、2015年「Mosquito Catcher Air Purifier」として空気清浄機を発売し、たちまち大きな反響を呼びました。翌年、日本でも販売を開始し「薬剤を使わず蚊が取れる」という点で、赤ちゃんのいる家庭を中心に、家族やペットなどを守りたいという健康志向の日本人のニーズに結びつけることで、飽和状態だった空気清浄機の差別化に成功しました。

「踏んでも落としても壊れない時計」をコンセプトに ‥ G-SHOCK/カシオ計算機
「Gravity-Shock 重力の衝撃にも耐える時計」との力強い印象を受けるG-SHOCKが発売されたのは1983年。日本で発売されるのと同時期にアメリカにも輸出されました。アメリカでは誇大広告ともとられるCM、またはそれを実証実験するメディアなどで取り上げられ、ヒットに繋がりました。強度の高い時計はアメリカの軍人、パイロット、SWATなどタフな現場で愛用され、映画「スピード」でキアヌ・リーブスが着用していた事をキッカケに、日本でも人気が高まりました。

海外を拠点に、必要な量だけ輸入 ‥ BALENO(バレーノ)/スズキ
イタリア語で「閃光」を意味する「バレーノ」。2015年10月、スズキはインドの現地法人であるマルチ・スズキ・インディアを製造拠点とし、インド、欧州をはじめとする世界各国へ順次輸出していくと発表されました。そして2016年3月日本市場にも投入した事で話題となりました。海外で生産して日本に輸入する事は珍しくありませんが、日本の自動車メーカーがインドで全世界向けに製造された車両を日本に輸入する事は前例がありませんでした。(株)スズキの鈴木修会長は「インドの工場は日本のレベルに到達している」事に加え、「一番量の売れるインドで作り輸入する方が日本で作るよりもメリットがある」としています。
※インドの新車販売台数(2017年)は401万台、世界で4位・・・日経調べ2018.1.12

その他、海外から話題となったコンテンツ
・ ポケモンGO(アプリケーションゲーム)
・ ピコ太郎/PPAP
・ BABYMETAL(ガールズメタルバンド)

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