ゆるキャラやB級グルメに続く、「ご当地」ブームになっているのが「方言」です。昨年は「じぇじぇじぇ(北三陸地方の方言:驚いたときに発する言葉)」が流行語大賞に選ばれましたが、今年もすでにいくつかの方言が注目されています。
・「こぴっと」、「てっ」(甲州弁)
NHKの連続テレビ小説「花子とアン」に登場するセリフ。「こぴっと」は「しっかり、ちゃんと」の意味。「てっ」は感心したときなどに使う言葉で、標準語の「へぇ」に近いです。甲州弁自体は「花子とアン」の少し前から、深夜のバラエティ番組で「ブサイク方言」として取り上げられたことで注目され始めました。これまで話題の多かった関西弁や東北弁とも違う、独特の言い回しが新鮮なものとして受け入れられているようです。
・「もんげー」(岡山弁)
人気ゲーム「妖怪ウォッチ」に登場するキャラクターの口癖。「すごい」の意味。岡山市の公式ツイッターによると、本来「すごい」は「でーれー」「ぼっけー」と呼ばれることが多く、「もんげー」は地元岡山でもマイナーな表現だったそうです。しかし、ゲームのヒットと共に、子供達の間で「もんげー」が大流行。一躍全国でも有名な言葉になりました。
ネーミングでも方言を使うことは有効です。
主な例として、
・いいちこ(焼酎)/「いいちこ」:大分弁:良い
・ばかうけ(せんべい)/「ばか」:新潟弁:すごい
・ICOCA(ICカード)/「行こか」:関西弁:行こうか
・美ら海水族館(水族館)/「美ら(ちゅら)」:沖縄語:美しい
などがあります。
方言を使ったネーミングの長所は、何よりもインパクトがあることです。標準語では耳にしない音感は強く印象に残ります。また、方言ならではの、どことなくゆるい印象が親しみ感を生むのではないでしょうか。