平成19年4月1日から、小売業の商標(サービス名)が、国際商標分類、第35類で登録できるようになります。 今まで日本の商標法では小売業の名称は、登録できる分類がありませんでした。例えば、『メガネの愛眼』や、『ダイエー』といった小売業は、仕方なく取り扱っている商品の商標分類で、その名称の登録を行い、権利をプロテクトしていました。
※欧米ではすでに、小売業の商標登録が認められています。
●小売業名(小売店舗名)第35類への登録だけで万能か?
このニュースだけでは、小売業の名称は、第35類への商標登録さえ済ませておけば安全かのようなイメージを抱いてしまいます。小売業が“商品販売業(第1類~第34類)”か“サービス業(第35類~第45類)”かは、国際的にも判断が分かれています。日本国内でも、まだ審議が続いている状態です。 ※米国,英国,欧州共同体はサービス業として、また日本においては商品販売業として取り扱われています
●商品商標も同時取得の方向へ
現状では、例えば『メガネの愛眼』など単一の商品だけを扱っている店舗は、「第9類(メガネなど)」への商標登録で済むため、そのコストも大きくはありません。※実際は3分類で商標登録済み。
しかし百貨店や量販店などは、非常に多品種の商品を取り扱っているため、商標登録やその更新など、維持するにも大きなコストがかかっています。 政府の産業構造審議会などでの、最終的な結論は出ていませんが、以下の方向性で話が進んでいるようです。
・百貨店・総合小売り 例) 『ダイエー』
(1)衣食住にわたる各種の商品を一括して取り扱う百貨店や総合スーパーといった
総合小売と、個別の商品を取り扱う小売とに大きく分けて保護する。
(2)個別の小売については、審査において、取り扱う商品により、
同種の商品商標とのクロスサーチ(両方の分類での調査)をおこなう。
●小売業者のメリット
小売業の商標(第35類)へ登録することにより、同名小売店舗名の使用を防ぐことができるようになります。 しかし、商標の使用の仕方によっては(パッケージへの使用など)、商品商標としての使用とみられる場合もあります。安全策としては、小売業の商標(第35類)で登録しておくだけではなく、商品商標も取得しておくのがベターと考えられます。