Column

最新ネーミング事情 Vol.186 11月の2大セールスイベント

■独身の日(11月11日)

中国では毎年11月11日に「独身の日」、通称「双11(ダブルイレブン)」として大規模なセールが開催されます。この日は数字の「1」が4つ並ぶことから、1990年代に南京大学の学生たちが「独身者が集まり楽しむ日」として始めたのが由来とされています。

2009年にEC大手のアリババが、この日をセールスイベントのチャンスと捉え、「独身者は自分へのご褒美を買って楽しもう!」というメッセージを発信したことをきっかけに、世界的な商戦日へと成長しました。現在では、さまざまなECサイトが大規模セールを展開しており、ターゲットは独身者に限らず、国民全体を対象とした最大のセールスイベントとなっています。アリババが運営するTmall(天猫)には日本企業も多数出店しており、人気のブランドは毎年売上を伸ばしているようです。

■ブラックフライデー(11月の第4金曜日)

毎年11月の感謝祭の翌日に行われる、アメリカ発祥の大規模なセールスイベントです。
もともとは1950年代に感謝祭の翌日から始まるセールで街が混雑し、交通渋滞などで警察官にとっては多忙な日だったことから「Black Friday」と呼んでいたことが始まりだそうです。そこから転じて、大規模なセールによって小売店が黒字(in the black)になることから、現在ではポジティブな意味でセールスイベントとして広く使われています。

今では多くの企業がブラックフライデーセールを開催するようになりましたが、初めて導入されたのは2014年の「日本トイザらス」によるセールです。ちなみに、「日本トイザらス」の「ら」だけ日本語なのは、英語ロゴ「TOYSЯUS」の「R」が反転した鏡文字になっているのを表現しているためです。

また、このブラックフライデーと連動して開催されるのが「サイバーマンデー」です。
アメリカでは感謝祭明けの月曜日にオンラインショップの売上が急増することから、2005年頃から使われ始めました。

日本では、アマゾンジャパン株式会社が12月第2月曜日を「Cyber Monday」として記念日に制定したようですが、同時に「サイバーマンデー\CYBER MONDAY」を商標登録(権利者名称:アマゾンテクノロジーズインコーポレイテッド)しているため、他社がこの名称を使うのは難しいせいか、ブラックフライデーほどの浸透には至っていません。