2024年12月2日に、第5回目を迎える「日本ネーミング大賞 2024」が発表されました。日本ネーミング大賞は、ネーミングの重要性を広く社会に発信することで、ネーミングの質と価値の向上を図り、生活文化をゆたかにし、産業の発展に寄与することを目的に賞賛すべき優れたネーミングを選出・表彰するアワードです。
今回も審査会や授賞式で話題になった受賞ネーミングと、一部の選考理由をご紹介します。
応募部門は、下記7つの部門に分けられており、これに審査委員特別賞とレジェンド賞のふたつが加わります。
部門 1:食品・飲料・アルコール・菓子・調味料・サプリ・アイス・スイーツ
部門 2:化粧品・トイレタリー・医薬品・雑貨・日用品・アパレル
部門 3:家電・ゲーム・通信・自動車・情報サービス・アプリ・交通・物流・旅行
部門 4:店舗・不動産・商業施設・屋号・社名
部門 5:その他
ルーキー部門:発売・発表から2年以内の対象のみ応募可能
地域ソウルブランド部門:地域限定等で永く愛されているネーミング(2024年の戦略エリアは大阪府)
●2024年 受賞ネーミング一覧 【日本ネーミング大賞】晴れ風(ルーキー部門) 【優秀賞】部門1:よなよなエール 部門2:パジャマスーツ 部門3:UFOキャッチャー 部門4:味集中カウンター 部門5:サンダルバイバイ 【ルーキー部門】晴れ風/明日はパラダイス 【地域ソウルブランド部門】近大マグロ/一輪箋/たこシャン/もせち 【審査員特別賞】あえて、/さよならダニー/運動会屋 【レジェンド賞】三ツ矢サイダー/ウィルキンソン/クレパス/味ぽん
■日本ネーミング大賞・ルーキー部門 【晴れ風】キリンビール株式会社
晴れた空の下で風に吹かれながら飲むような最高に気持ちいいおいしさをお届けしたい。(中略)お客様を、そして世の中を晴れやかにし、良い風を吹かせていきたい。「晴れ風」には、そのような想いが込められているそうです。
ハレカゼ(読み)=アエアエとなる母音のrefrainは人の心に残る強さがあり、造語でありながら、誰にでも伝わる爽やかさを持ち、さらにネーミングに込めた思いがしっかりと伝わる点も評価された理由の一つです。
■部門5【サンダルバイバイ】NPO法人AQUAkids safety project
海川に流されたサンダルなどのモノを追いかけて溺れる水難事故を予防する安全キーワード#サンダルバイバイ。水難事故による命を一つでも救うために考案されたネーミングです。子供から大人まで覚えやすく、注意喚起と具体的な行動をたった8文字に凝縮しています。大切な人とシェアしてほしい問題解決型のネーミングです。
■地域ソウルブランド部門【たこシャン】 カタシモワインフード株式会社
今年の地域ソウルブランド部門は、私たちが勝手に想像していた「大阪らしい」ネーミングとは違っていたことが、まず審査委員を驚かせました。その中で受賞した「たこシャン」は、たこ焼きがぐっとおいしくなるワインとして名づけられました。G20大阪サミットでも提供され、約100年前には日本一のぶどうの産地だったことを印象づけるような、地元愛あふれるネーミングです。
■審査員特別賞【あえて、】味の素株式会社
「あえて、Ⓡ」は、まぜご飯の上におかずを詰めた1食完結型の冷凍ストックご飯です。「仕方なく手に取るのではなく、意図的に(あえて)冷凍弁当を利用してほしい」という想いが込められています。「。」ではなく「、」を使用することで、読点を置いて「一呼吸おける」という表現の斬新さが評価されました。
■レジェンド賞【三ツ矢サイダー(140周年)】【ウィルキンソン(120周年)】アサヒ飲料株式会社
三ツ矢サイダーは、「三ツ矢印の平野水」から始まった、近代日本における「ブランド」の先駆けとも言える存在です。多くの炭酸飲料が英語のネーミングを採用する中で、「三ツ矢」という日本語の名称を用いている点も、「お茶とはまた違った日本の伝統を感じさせる」として審査員から高く評価されました。
ウィルキンソンは、当時神戸の居留地を拠点としていた英国人「ジョン・クリフォード・ウィルキンソン」が、宝塚の山中で炭酸鉱泉を発見したことに由来します。実は日本発祥であり、炭酸飲料が俗に「炭酸」と呼ばれるようになった由来が「ウィルキンソン タンサン」であるというストーリーも好評でした。
■レジェンド賞【味ぽん(60周年)】株式会社Mizkan
授賞式で審査委員長の愛が感じられた「味ぽん」。味付けぽん酢を縮めた名称が、今ではぽん酢の代名詞となっています(本来ぽん酢とは、かんきつ果汁に醸造酢を加えたシンプルなもの)。 “ぽん”という明るい響きと親しみやすいネーミングで、「お鍋のお供」として欠かせない存在となり、味付けぽん酢のカテゴリーを築き上げた点が賞賛に値すると評価されました。
受賞ネーミングの選考理由につきましては、下記URLからもご覧いただけます。
※最新版のニューズレターは面談にてご案内しております
※弊社代表の三浦が審査委員として参加しております