近年、生成AIの進化により、私生活からビジネスシーンに至るまで活用が広がっています。
ネーミング分野においても「ChatGPT、Gemini、Copilotなどでネ ーミング開発ができるのでは?」というご質問をいただくことがあります。 実際、先駆けとなったChatGPTが注目され始めた2022年頃と比べると精度もかなり向上しているように感じます。
今回は、生成AIが生み出すネーミングの特徴や、使用するメリット・デメリットをご紹介いたします。
【メリット】
・スピードとアイデア 数
人間のブレインストーミングに比べ即座に生成できるため、ネーミング制作に不慣れな方でも沢山のアイデアに
触れることができ、行き詰まりにくいのが特徴です。
・他言語でのネーミング開発
日本語・英語だけでなく、中国語、韓国語、スペイン語、フランス語など、多言語でのネーミング開発が可能です。
グローバルに展開予定のブランド名開発に活用できます。
・低コスト
開発する上での社内的な人件費を削減でき、代理店や専門会社などへの外注費よりも安価です。
また追加コストの心配もありません 。
・客観性
個人の好みや感情に左右されにくく、プロンプトに従ってネーミングが生成されます。
【デメリット】
・商標リスク
生成されたネーミングがすでに商標登録されている可能性があるため、商標調査は別途必要です。
同時期に同一コンセプトのもと、複数人が似た案を生成することもあり、この場合は商標調査を行ったとしても
防ぐのが難しいケースもあります。
・独創性の限界
生成AIは過去の学習データに基づくため、既存のネーミングに似たものが出やすく、新規性の高いネーミングには
弱い傾向があります。
・情緒的表現の弱さ
ターゲット心理やブランドビジョンに沿った表現、人の感覚的な興味をそそる表現は不得意です。
・プロンプト入力の複雑性
よりイメージに近いネーミング生成のためには、詳細かつ的確なプロンプト入力が必要となります。
現状ではプロンプト入力方法が複雑、かつ、入力者の能力により結果に差が生まれます。
・ネーミングのクオリティを判断できない
生成AIは、ネーミングの良否を判断する基準を持ち合わせておらず、仮に「おすすめ」として提示された案であって
も、それが本当に適切かどうかを裏付けるものは今のところありません。
次に英語系・日本語系ネーミングの違いや特徴について比較しました。
【英語系ネーミング】
・豊富なリソース
AIは英語圏の書籍・論文・広告・ブランド名を圧倒的に多く学習しているため、語彙や言葉の組み合わせの
パターンが豊富で、日本語系ネーミングよりも英語系のネーミングの方が得意です。
・ありふれた表現に偏りやすい
データが豊富な分、既存ブランドと類似する表現に偏りやすい傾向もあります。
(例: Cloud○○, Smart○○)
・意味が正しいかどうか裏取りが必要
生成AIが提示する英語の意味は、出典が明確な辞書とは異なり、必ずしも正確であるとは限りません。
誤用を防ぐためにも、人力による確認は不可欠です。
【日本語系ネーミング】
・擬音語・語感表現に強い
「ふわり」「キララ」「トントン」など、擬音を重視した造語は比較的生成しやすい傾向にあります。
・和製英語風の表現は出やすい
「スマイルケア」のような、和製英語風の表現は比較的生成されます。
・文字数&リズムの最適化は苦手
文字数の制限は可能ですが、日本人が感じる「心地良いリズム」まで考慮することはできません。
・漢字が持つ印象の使い分けは苦手
同じ意味でも漢字が持つ印象までを、繊細に使い分けることは苦手です。(例: 光/輝/耀)
■現段階では「発想支援ツール」として活用
現在の生成AIによるネーミングは、スピードや量に優れる一方課題も残るため、発想やキーワードの幅を広げるための「発想支援ツール」として使用し、人間の感性や市場理解で選抜していく協働スタイルが効果的と考えられます。