今月、東京・有楽町の「TOHOシネマズ 日劇」が閉館することで話題になっています。「日劇」の語源は、1933年にオープンした「日本劇場」で、戦前から昭和終盤にかけて、映画だけでなく舞台や歌謡ショーなども含めた劇場として営業していました。1981年に老朽化に伴い解体。跡地に有楽町マリオンがオープンし、ビル内に作られた映画館に「日劇」の名が引き継がれました。
この度、日比谷にシネマコンプレックスをオープンするのに伴い、日本劇場時代から続いた85年の歴史に幕を下ろすとのことです(跡地は貸しホールとプラネタリウムになる予定)。
上記のように、ネーミングのみが「名残」として続いているケースは他にもあります。
・数寄屋橋(すきやばし)
銀座の交差点や、有名寿司店の名前などに使われています。
この区画に一見、橋は無いようですが、戦後十数年くらいまでは江戸城の外堀(外堀川)が流れており、橋も架かっていました。
1958年に首都高速道建設とともに取り壊され、外堀川も埋め立てられました。
・向ヶ丘遊園
小田急線の駅名として知られていますが、2002年まで存在していた遊園地がその名の由来です。
遊園地が取り壊された後も、「向ヶ丘遊園」が地域の名称として定着しており、前述の駅名や、近隣店舗の名称として今でも残っています。
・かっぱえびせん
今やその名を知らない人はいないお菓子ですが、どこにも「かっぱ」に関連するものが見当たりません。
元々「かっぱえびせん」は、「かっぱあられ」シリーズ(「かっぱ○○」シリーズ」)の1つで、当時「かっぱあられ」にはかっぱのキャラクターもパッケージに描かれていたそうです。
現在「かっぱあられ」は販売されておらず、かっぱのキャラクターもいませんが、「かっぱ」という名称は60年以上受け継がれています。