特許庁で新しい商標のカテゴリーとして、音や映像、色、匂い、味、位置、ホログラムなどの各分野が検討されていましたが、先行して「音」「色」と「映像」の商標登録が導入されるようです(2015年5月までにスタート)。
※アメリカでは約70年前の1946年から音の商標登録制度が始まっています。
■音響商標
有名なところでは、映画のタイトルでライオンが吠える音や、ハーレーダビッドソンのエンジン音が 登録されています。日本企業でも久光製薬のCMに流れる「ヒ・サ・ミ・ツ♪」のサウンドロゴがアメリカで商標登録されています。日本の制度の具体的な詳細はまだ発表されていませんので、分かり次第、取り上げさせていただきます。 ユニークなところでは、映画「スターウオーズ」に登場するダースベイダーの呼吸音も商標登録されているようです。アメリカではこれら、音の商標登録を「サウンドマーク」と呼んでいます。
※アメリカではメロディーと歌詞の両方が対象ですが、日本では未定です。
■色の商標
コーポレートマークのカラーや、イラストなど図形に付随する色はいままでも認められてきましたが、 今回の商標法改正では、色単体での商標登録が認められるようです。 ただし、すでに使用されていて、消費者に認識されていることが前提条件になるようで、商品商標のように事前申請はできないようです。
例えば、三菱UFJフィナンシャル・グループが「MUFGレッド」と呼ぶ赤色なども、登録の可能性がでてきます。ただ、他社が同色を一部使用している場合にどうなるかなど、いろいろな疑問も呈されています。
MUFGレッド R:G:B 230,0,0 |
■映像の商標
最も身近な事例は、20世紀フォックス社の、映画の冒頭で流れるあのタイトルです。アメリカでは「20世紀フォックスのサーチライトが夜空を照らす映画タイトル」が商標登録されています。
映画やゲームの冒頭で流れる企業ロゴは、特に見る人の記憶に残りやすいので、登録の可能性も大いにあると言えるでしょう。