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最新ネーミング事情 Vol.153 「昭和・平成レトロ」な商品名の現在

早いもので「令和」も4年目となりましたが、現在ミレニアル世代やZ世代を中心に、昭和末期や平成初期のものがブームになっているようです。
今回は、かつて流行した商品などが、現在どのような名称で展開されているかを取り上げてみました。

  • ビーダマン
    →【現在】キャップ革命 ボトルマン
  • レーサーミニ四駆
    →【現在】レーザーミニ四駆

90年代の少年たちを魅了した玩具が、現代風にアレンジされ、再び脚光を浴びています。
どちらも、元の商品名をイメージさせるネーミングであることがポイントです。

特に、「ボトルマン」は当初「PROJECT BM」の名称でプロモーションされ、「ビーダマン」との繋がりを強く意識させています。

  • ウルトラマンティガ
    →【現在】ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA

こちらも、かつて有名アイドルが主人公を演じた、元の作品のネーミングを意識した表現になっています。

90年代に流行したものは、ちょうど現在25周年や30周年を迎えることが多く、「ウルトラマントリガー」も「ウルトラマンティガ」の25周年記念作品として放映されています。
先月のコラムで取り上げた「Tamagotchi Smart」も、初代「たまごっち」発売(1996年11月23日)からちょうど25周年となる2021年11月23日に発売されました。

  • ガラケー(ガラパゴス携帯)
    →【現在】G’zOne TYPE-XX
    →【現在】INFOBAR xv

今、あえて「スマホ」ではなく「ガラケー」ブームになっています。
現在となっては機能も少なく不便とも言えるその佇まいが、SNS映えするものとして注目されているようです。

かつて、各キャリアはガラケーのことを「フィーチャーフォン」と呼んでいましたが、現在は独自OSによる純粋なフィーチャーフォンは存在せず、Androidを搭載した擬似的なフィーチャーフォンのみを展開し、「ケータイ」と呼称しているようです。

ガラケー全盛期に登場した「G’zOne」や「INFOBAR」などのブランドも、OSをAndroidに変更し、現在の4G回線に適合する形で復活しました。

  • 写ルンです
    →【現在】写ルンです シンプルエース
  • カセットテープ
    →【現在】UR
    (Ultra Reference)

上記の商品も「ガラケー」と同じく、不便であることが逆に注目されるポイントとなっています。

商品名については、昔からの名称を使用し続けており、「写ルンです」は2001年に発売された「シンプルエース」のみを展開、カセットテープに至っては、国産メーカーはマクセル社の「UR(1985年発売)」のみとなっています。

ちなみに、カセットテーププレイヤーには必須の機能だった「オートリバース」は、現在製造できるメーカーが無く、半ば“ロストテクノロジー”と化しているそうです。
そのような点も、魅力的に映るのかもしれませんね。