食品、電化製品、化粧品…様々な業界から新しい商品が生まれ、日々新しいネーミングが世の中に出てきています。必ずしも全てが新商品ではなく、既存商品であっても、名前を変えることによって目新しさ、新規性を感じられるようになります。

「ファッションの流行は繰り返し」と言われるアパレル業界ではそのような現象が多く起きていると感じられます。形状・デザインはもちろん時代に合わせて変化していますが、一度流行したアイテムが再び注目される時には、名前に「流行遅れ、古い、ダサい…」といったイメージがついてしまいがちです。そのためにアイテムの名前を変えて、古くマイナスなイメージを一新するのだと思われます。変化した名前の中にはファッションアイテムの定義と異なるものもありますが、英語とフランス語の違いなど、大きく意味が異なる言葉という事はなさそうです。 流行のアイテムだけでなく普遍的なアイテムであっても呼び方が変わることはしばしばです。 下記に最近呼ばれ方が変化しているファッションアイテムをご紹介します。

● Gパン → デニム
● ズボン → パンツ
● スパッツ → レギンス
● オーバーオール → サロペット（フランス語）

どの名前も、後者の響きの方が「今風」に感じられます。更にレギンスから派生した「デニンス…デニム生地風のレギンス」「メギンス…男性用（メンズ）レギンス」など、新しいアイテム名が誕生してきています。 メギンスに関しても「パッチ、ステテコ、股引…」等々似たような形状のアイテムを指す名前はすでに存在しますが、若い男性達の間でおしゃれ感を重視して生まれたネーミングではないでしょうか。世代に合わせてアイテムの呼び方が違うのは、それぞれの時代に流行した呼び方があったからだと考えられます。

アパレル業界だけに限らず、様々な業界でめまぐるしく流行が変化します。どのように打ち出していくかの戦略にネーミングが大きく関わっている事は言うまでもありません。 商品の魅力を、ターゲットの性別、年齢、地域…色々な側面からアピールできるネーミングが常に求められていると感じます。