いまやクラウドファンディングで、モノや体験を購入することは珍しくなく、毎年さまざまなプロジェクトが発表されています。
そんな中でも(株)マクアケは大手企業の研究開発技術を活かした、新製品や新規事業開発のプロデュース支援事業「Makuake Incubation Studio(以下MIS)」を展開しています。
今回はMISから生まれた商品をネーミングやキャッチフレーズの視点からご紹介いたします。
- 雪どけ酒 冬単衣
石井酒造の日本酒+シャープ製保冷バックがセットになった商品です。
シャープが、液晶材料の研究で培った独自の蓄冷材料(指定した温度帯で物を一定に保つことができる)の認知を世の中に広めることで、今後BtoBでの取引に繋がるのではないかという仮説のもと始まったプロジェクトです。
食材を適温で届ける体験に価値を見出し、飲み方と温度帯に密接な関係をもつ「日本酒」バックを作りました。
タッグを組む石井酒造では、これまで存在しない「氷点下で味わう」という新ジャンルに合う日本酒を研究、ひとくちで3段階味わいが移り変わる「雪どけ酒」を開発しました。
氷点下から体温で香りや甘みが移り変わる様子を「雪どけ酒」と表現。さらに「冬単衣」というネーミングは、日本酒ビンがシャープ製の保冷バックを、まるで白い単衣を纏うようなデザインを表しています。
本プロジェクトは全てのコースが完売し、Makuake発の商品を購入できるECサイトの「Makuakeストア」での販売に切り替わりましたが、こちらも2023年7月現在、売り切れとなっています。
- 泡シャワー KINUAMI【絹浴み】
消防車・防災機器大手のモリタグループがもつ火災を消すための泡生成技術を、NITTO CERAが持つバスルームの知見をもとにシャワーヘッドに応用しています。
手では泡立てることができないほどの密度の高い泡(絹泡)がシャワーヘッドから放出され、身体に吸い付くような泡で全身をマッサージすることで、毎日のシャワータイムがエステタイムになります。
シャワーヘッドから生み出される泡は、肌に潤いと弾力を与える天然シルク由来の成分フィプロインやアルガンオイルなど数種類のボタニカル成分が配合されているそうです。
2019年に第1段「KINUAMI」、2021年にボディソープタイプの「KINUAMI U」が展開されました。
Makuake内のプロジェクトはどちらも終了していますが、KINUAMI Uは現在でも公式サイトで購入可能です。
主要素材であるシルクやシャワーヘッドから生み出される絹泡など、メインコンセプトである【KINU】と、浴びるの古語である【浴む】を組み合わせた造語で、贅沢感とおちついた印象のネーミングです。