弊社代表の三浦が審査員として参加した、第4回日本ネーミング大賞の受賞結果が2023年12月に発表されました。
ところで、歴代の受賞ネーミングの中には、一見「一般名称(普通名称)」のように見えるものもあります。
しかし、日本ネーミング大賞にノミネートされているものは、実は全て「登録商標」です。
- 万能ねぎ(31類/野菜、など) 筑前あさくら農業協同組合(第4回)
一般名:小ねぎ - プチプチ(17類/プラスチック基礎製品、など) 川上産業株式会社(第4回)
一般名:気泡緩衝材 - かりゆし(25類/被服、など) 沖縄県衣類縫製品工業組合(第3回)
一般名:沖縄アロハシャツ - 宅急便(39類/荷物の宅配、など) ヤマトホールディングス株式会社(第1回)
一般名:宅配便
これらの例からも分かるように、社会に定着した名前であっても、登録商標であるケースが多く存在します。
- UFOキャッチャー(28類/クレーンゲーム機、など) 株式会社セガ
一般名:クレーンゲーム機 - ガチャガチャ/ガシャポン/ガチャポン(28類/おもちゃ、など) 株式会社バンダイ
ガチャ(28類/おもちゃ、など) 株式会社タカラトミーアーツ
一般名:カプセルトイ - QRコード(9類/電子応用機械器具及びその部品、など) 株式会社デンソーウェーブ
一般名:二次元コード - ウォシュレット(11類/洗浄機能付き便座、など) TOTO株式会社
一般名:温水洗浄便座 - 万歩計(9類/歩数計)山佐時計計器株式会社
一般名:歩数計 - マジックテープ(26類/面ファスナー) 株式会社クラレ
一般名:面ファスナー - マジック(16類/文房具類、など) 株式会社内田洋行
一般名:油性マーカー
このように、当初は独自の名称であったものが、一般名称のように扱われるのは、それだけ社会に浸透しているという証でもあります。
一方で、需要者間で一般名称のような認識が進み過ぎると、「商標の普通名称化」が起こり、商標権行使(第三者による無断利用の排除など)ができなくなることに注意が必要です。
例えば、「正露丸」は大幸薬品株式会社の登録商標ですが、現在は普通名称となっているため、権利行使が困難な状況になっています。
そのため、企業は商標の普通名称化を防ぐため、使用や表記のガイドラインを厳格に守ることが重要です。例えば、株式セガは先述の「UFOキャッチャー」に加え、「プリクラ」の商標権も保有しており、それらの情報を積極的に発信しています。
『セガ、令和4年度 知財功労賞「経済産業大臣表彰」を受賞』
https://www.sega.co.jp/release/220411_1.html
「X」セガ公式アカウント(@SEGA_OFFICIAL)
https://twitter.com/SEGA_OFFICIAL/status/1019377176569774081