四季のある日本では、旬ごと、地域ごとにさまざまなフルーツが楽しめます。
春に青果店を訪れると、店頭に並んでいることが多いフルーツの代表格といえば「いちご」です。
日本のいちごの品種は非常に多く、300種類を超えると言われ、現在も各地で新品種が続々と開発されています。近年は品種に独自のネーミングを付与し、ブランドとして差別化をはかる傾向にあり、地域限定、農園限定のいちごなども多く見受けられます。
今回は人気のいちごブランドのネーミングをいくつかピックアップし、ご紹介いたします。
産地が入った品種
・とちあいか(栃木県)
・さがほのか(佐賀県)
・チーバベリー(千葉県)
・あすかルビー(飛鳥/奈良県)
・いばらキッス(茨城県)
・おぜあかりん(尾瀬/群馬県)
・ひのしずく(肥後/熊本県)
地域ごとの差別化を図るため、特定の品種を県内に限定されているものも多く存在します。
いちごの産地としてイメージが定着することで、地域名がブランドとなると考えられます。
女性イメージの品種
・なつおとめ(夏秋採り品種の特性といちごの女性らしいイメージを表現)
・あかねっ娘(公式由来なし)
・美人姫(生産者の奥田美貴夫氏+人にふれあう姫より)
・まり姫(和歌山の郷土工芸品の紀州手まりのように親しまれるように)
・女峰(日光の女峰山より)
・貴婦人のほほえみ(公式由来なし)
・ロイヤルクイーン(ひとつ上の高貴ないちごのイメージより)
・サマープリンセス(夏でも収穫できる四季成り性いちごより)
いちごの品種名には、女性イメージのネーミングも多く採用されます。
かわいらしさや美しさをイメージしやすく、女性的な名前は親しみやすく手に取りやすいなども考えられます。
また、同じ女性イメージのワードでも、「娘」はかわいらしく新鮮、「姫」は可憐で上品、「クイーン」は高級感など、異なる印象付けをすることが可能です。
ちなみに、「けんたろう」という男性イメージの品種も存在します。
由来は、いちごが罹りやすい「うどんこ病」などの病気に強く健康的なイメージ+果実が堅めなので「ケン」という文字をとられたようです。
また、いちごの品種は女性の名前が多いことから「敢えて男性の名前をつけたほうが覚えてもらえるのでは」という逆張りのアプローチで命名されたそうです。
特徴(味わい・見た目)由来の品種
・博多あまおう(甘い、丸い、大きい、うまいの頭文字)
・淡雪(白い雪がふわふわと降り注いだような、淡い色の白いちご)
・おいCベリー(7粒で1日のビタミンCが摂れる)
・かおりん(かおりの良いいちご)
ひとことに「いちご」と言っても、甘みや酸味、大きさや固さ、形や色など、特長はさまざまです。また、品種の多いいちごの中から好みの味わいを探し出すのは難しいため、ネーミングから特長が伝わると手に取りやすくなると考えられます。
ユニークな品種/その他由来の品種
・いちごさん
・もういっこ
・とっておき
・さくらももいちご
・天使の実
300を超える品種があるということもあり、ユニークでインパクトのあるネーミングを採用されるパターンも出てきています。