国内における経済成長の鈍化や人口減少に伴い、海外へ進出する日本企業が増えています。 同時に、ネーミングにおいても国内だけでなく、海外でも通用する表現が求められています。
海外でのネーミング戦略は大きく分けて2種類あります。
1/それぞれの国で別々のネーミングを設定する
●メリット
・それぞれの国で最も伝わりやすい表現にできる
・その国だけで商標登録ができれば良い
(他の国を考慮する必要がない)
●デメリット
・ネーミングのガラパゴス化が起こる
(グローバル市場で戦いにくい)
・表現が国によって違うため、ブランド管理が煩雑になる
2/全世界で同じ表現(統一ネーミング)を設定する
●メリット
・グローバル市場における競争力の向上
・消費者からのイメージ向上
・資産価値が高い
(企業価値の評価につながる)
●デメリット
・開発に時間、費用、マンパワーが要る
・全ての国で好まれる表現を作るのは難しい
(時間・費用をかけて認知させる必要がある)
近年のトレンドは、「全世界で同じ表現」です。
当初は国によって分けていた表現も、海外に合わせて統一する動きも出ています。
・グローバルで統一されたネーミングの例
National→ Panasonic/家電ブランド・社名
Vitz→Yaris/自動車
Demio、Axela、Premacy、Atenza→ Mazda2、Mazda3、Mazda5、Mazda6/自動車
グローバルネーミング開発では、ネーミングそのもののクオリティはもちろん、越えなければならないハードルがいくつかあります。
■海外でも商標登録できること
商標権の効力はその国限りです。日本国内で商標登録できたとしても、他の国で使えるとは限りません。また、中国など一部の国では有名ブランドの進出を見越して、第三者が商標権を先取りしてしまうというケースもあります。
・海外で商標登録が困難(当時)だったため、改名したネーミングの例
Dynabook→ Satellite/ノートPC
Biohazard→ Resident Evil/テレビゲームソフト
東京天空樹(東京スカイツリー)→ 東京晴空塔/電波塔・商業施設 ※中国
■海外の言語でネガティブなイメージが含まれていないこと
日本人が見て違和感のない表現でも、海外ではネガティブなイメージが含まれているケースがあります。辞書的な意味だけでなく、各々の国の文化・宗教・歴史などにも配慮しなければなりません。
・海外でネガティブなイメージがあるため、改名したネーミングの例
Calpis→ Calpico/飲料 … 英語で発音すると「Cow Piss(牛のおしっこ)」と聞こえる
Pajero→ Montero/自動車 … スペイン語で卑猥な意味がある
Pocky→ Rocky/菓子 … イスラム圏で「Porky(豚の)」を連想する
※現在はイスラム圏でも Pockyに統一
また、2ワード以上のネーミングは、略称(頭文字)にも留意する必要があります。
※例:SS=ドイツで「ナチス親衛隊」の略称
上記のハードルを越えるためには、開発作業においても、事前にネーミング案を多めに用意する必要があります。使えない案が出た際に、後から代替案を開発することもあります。 これらの作業を各企業様が社内で全てこなすのは困難です。
NNRでは、独自のグローバルネットワークを構築しております。
海外で商標登録の可能性が高く、かつ、ネガティブチェックもクリアしたネーミングのご提案が可能です。