News Letter

VOL.147 東南アジアの商標事情

【インドの商標事情】

基礎情報人口:約13億人
首都:ニューデリー(New Delhi)
言語:ヒンディー語

1990年代に経済自由化政策を推進してから、USA、ドイツ、日本、韓国などが積極的に投資をおこなってきました。その中でも自動車産業の発展には力をいれており、昨年はスズキ(株)がインドで生産している小型車「バレーノ」を日本へ輸入販売するとして話題になりました。インド国内においては、3億人以上が購買層と考えられるため、インド進出に伴った商標出願が増えています。

現在の商標法は1999年法であり、2014年~2015年の1年間における出願件数は210,501件、登録件数は41,583件だそうです。紙(マニュアル)と電子出願に対応しており、全体の25%が電子出願を利用しています。
使用言語は、ヒンディー語か英語が規定となっています。
保護対象は視覚的に認識できるものとして、文字・図形・色彩・音(譜面に書けるため)は認められていますが、においや味は含まれておりません。

インドでは、登録主義と同時に先使用主義を採用しており、インド国内での使用はもちろんのこと、諸外国における使用実績も重要視されています。
審査は出願から4~6ヶ月後に行われます。拒絶理由通知がなされ、応答を行った場合は、多くの場合聴聞の機会が設けられ、その後公告期間を経て、登録までには18か月~2年を要します。その後、商標の更新は10年毎です。

商標法の施行からまだ日が浅いためか、特許庁により突然出願放棄したとみなされたり、登録証の記載に間違いがあったりと大小様々なトラブルも報告されています。
そのため、審査状況の定期的な確認や、トラブル時の迅速な対応が必要とされています。

【マレーシアの商標事情】

基礎情報人口: 約2,995万人
首都:クアラルンプール(Kuala Lumpur)
言語: マレー語(中国語、タミール語、英語)

2014年までは日本によるマレーシアへの投資金額は世界第一位となっており、主に製造業が中心となっていました。近年はハラルビジネスへの入り口として、外食業や小売業などのサービス業による投資が増えてきています。

一般的には審査主義と先使用主義が採用されています。保護対象は、文字・図形・記号又はこれらの組み合わせ、また最近では立体商標や色の組み合わせが加えられました。音・匂い・味・単色・ホログラムなどは対象とされていません。

出願以降は、「方式審査→実体審査→公告→登録料納付」というフローがあり、登録までには9~12ヶ月を要します。但し、所定要件を満たすことを条件に、必要書類と手数料(約USD67)を納付することで早期審査を求めることができ、申請が認められさらに手数料(約USD353)を納付することで、概ね出願日から最短で7ヶ月以内に登録することも可能です。商標の更新は10年毎です。

東南アジアへの商標出願件数は年々増加傾向にありますが、出願から登録までに1年以上かかるケースやトラブルも多々発生しております。

NNRでは、東南アジアに強固なネットワークをもつ特許事務所との提携により、皆さまのご質問やご相談にお応えします。ネーミング開発・ネイティブチェック・商標調査など、お困りの際にはお気軽に担当者までお問合せください。