News Letter

VOL.116 商標も国際標準へ

NL98で新しい商標の導入の検討が始まった事をお伝えしましたが、今回新たな動きがありましたので、お知らせいたします。

■導入される新しい商標
特許庁は2013年の法改正をめどに商標法を抜本から改正する検討を始めました。その背景としては、環太平洋経済連携協定(TPP)への交渉参加など自由貿易へ向けた動きの加速化があり、これに伴い、知的財産の保護にも力をいれるようです。導入を検討されている新しいタイプの商標は下記の5つです。

(1) ロゴマークなどの「動き」
(2) テレビCMなどの「音響」
(3) カードなどの「ホログラム」
(4) 製品の「色彩」
(5) 製品につけられたマークなどの「位置」

■導入の背景
近年のネットの普及とともに音や動きを企業の販売・広告活動に使用するケースが多くなり、 新しいタイプの識別表示が採択されるようになってきました。
そのような流れの中で、欧米では商標を広範囲にわたって認めています。日本でも商標登録の制度が国際的に遅れれば企業経営にも大きな影響を与える可能性もあり、保護する商標の範囲を早めに広げておくべきだ、と以前から指摘されていました。
また、TPP交渉に参加するとなれば、商標制度を国際基準に合わせるように求められる可能性も高まります。その前に特許庁は法改正を行いたい考えのようです。
2012年1月現在、世界で保護されている新しいタイプの商標をまとめると概ね以下のようになります。なお、韓国や中国でも保護拡大に向けて検討されています。

 米国EU豪州韓国台湾中国日本
ロゴマークなどの「動き」×××
テレビCMなどの「音響」×××
カードなどの「ホログラム」×××
製品の「色彩」××
製品につけられたマークなどの「位置」×××