中国では商品を生産しているが、中国国内では販売はしないから、中国での商標登録は不要・・・と考えていらっしゃいませんか?中国では輸出用商品そのものや、商品の梱包用段ボールなどに商標を付す行為そのものが商標の使用、との考え方です。従って、こういう事例に当てはまる企業には、中国での商標登録をおすすめします。 ※ただ、権利を有していないと商標を使用できない商品は「煙草」のみですので、法律的には絶対条件ではありません。輸出専門だから、中国に同一商標があっても大丈夫、というのは間違いです。
■中国で商標を取得しない場合のペナルティ
商標登録は絶対条件ではないので、登録しないこと自体、罰則というものはありません。
■中国では第三者が先駆けて商標登録してしまう事例がよくあります。
商標権をとらないで、輸出用商品そのものやその商品の段ボールに商標を付したものが他人の商標と抵触すれば、とうぜん商標権侵害となりますし、行政当局(工商局や税関)より差止めの対象となってしまいます。輸出専用だから中国に同商標があっても大丈夫というのは間違いです。また商標権がない場合は、第三者に対し、権利主張ができないのは当然です。
■参考資料
輸出のみの使用について例外規定を設けていない国は中国以外にもたくさんありますし、特別な話ではありません。下記の表は、輸出のみでも商標の使用と見なされる国のリストです。
国 名 | 輸出のみの製品に 商標を付する行為は商標の使用とみなされるか | 輸出のみの製品に 商標を付する行為が他人の権利を侵害するおそれがあるか |
オーストラリア | みなされる | おそれあり |
チリ | みなされる | おそれあり |
エクアドル | みなされる | 可能性は低いがおそれあり |
ドイツ | みなされる | おそれあり |
インド | みなされる | おそれあり |
インドネシア | みなされる | おそれあり> |
イタリア | みなされる | おそれあり |
スリランカ | みなされる | おそれあり |
ベトナム | みなされる | おそれあり |
中国 | みなされる | おそれあり |
※日本においても、商標の使用に「輸出」の文言を入れる改正が本年中になされる予定です。