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番外編 ネーミングはスラングに注意が必要です

日本人が見て良いイメージのネーミングであっても言語が変われば、悪い意味やスラングになってしまうことがあります。
以下に事例をご紹介します。

  • CALPIS/カルピス(アサヒ飲料)

名前の由来
CALCIUM(カルシウム)とサンスクリット語のSARPIS(サルピス:最上の味という意味)を合わせたもの。
※アサヒグループホールディングスHPより https://www.asahigroup-holdings.com/brand/calpis/

英語ネイティブから見ると、発音からCOW PISSと聞こえCOW=牛、PISS=おしっこ、の意味となるため飲料としてはふさわしくないイメージになってしまいます。
このためアメリカ、カナダ、インドネシアなどでは名前をCALPICO/カルピコと変えて販売されています。

  • POCARI SWEAT/ポカリスエット(大塚製薬)

名前の由来
「ポカリ」は、語感の軽い明るい響きを持つ言葉としてつけたもので、特別な意味はありません。
「スエット」は「汗」の意味で、水分やイオン(電解質)の大切さを訴える意味で、身体から目に見えて失われる「汗」を表しています。
※大塚製薬HPより https://www.otsuka.co.jp/faq/pocarisweat/01.html

英語ネイティブからみるとSWEATが文字通り「汗」なので、飲みものにはふさわしくない名前になってしまいます。

  • povo/ポヴォ(KDDI)

名前の由来
pov(point of view「視点」)とab ovo(ラテン語で「卵から・最初から」)の2つの言葉の組み合わせにより、新たな視点によるサービスの誕生、そして成長、という意味が込められています。
※KDDIのHPより https://www.au.com/information/topic/mobile/2021-015/

英語のスラングで「貧乏」の意味があるようです。

  • Pocket Monster/ポケットモンスター(任天堂)

英語圏では幼児語で男性器を連想させるニュアンスがあり、子ども向けのアニメのタイトルとしてはふさわしくないと判断されたようです。
このため海外では略称であるPokémon/ポケモンの名称で販売されています。

  • パジェロ(三菱自動車)

スペイン語で自慰をする人の意味があるようです。
欧州ではShogunの名前で販売されていました。

  • FUGA/フーガ(日産)

イタリア語で「遁走、逃走」の意味があります。また英語では「腐りかけたマッシュルーム」を連想するよ
うです。

  • Hustler/ハスラー(スズキ)

日本ではポールニューマン・トムクルーズのW主演のビリヤード映画の影響もあり、かっこいいイメージもありますが、英語では「詐欺師」や「ギャンブラー」のニュアンスも。
同名のポルノ雑誌があるのも微妙な感じです。

【番外編】
以下の例は商品名ではないですが、番外編としてご紹介します。

  • 全日空

おとなりの中国に行くと漢字のイメージから「毎日空席だらけ」を意味してしまいます。

  • ENCO/エンコ

アメリカのEXXON/エクソン(現エクソンモービル)が社名を変更する際の最終候補案でした。
日本で市場調査をした結果、「エンコ」には「エンジン故障の略からエンジントラブル全般を意味する」という調査結果があったため寸前でEXXONとなったそうです。

  • Terminal Hotel

日本各地にある「ターミナルホテル」の名前は欧米人にあまり好まれません。なぜならTERMINALは「終わりの、終末の」の意味があり、死ぬ前に泊まるホテルのイメージだからです。