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NL 番外編 日本ネーミング大賞2023

第4回目となる「日本ネーミング大賞 2023」が昨年の12月5日に発表されました。

今回は、509件のノミネートの中から、日本を代表するネーミングが各部門で選出されました。今年も審査委員として参加した弊社代表が、本年度の受賞ネーミングから特に印象深かったものを抜粋し、最終審査会での評価とその選考理由をご紹介します。

応募部門は、一般部門(5部門)・ルーキー部門・地域ソウルブランド部門の7つで、対象となるカテゴリーは以下のように分けられています。

部門 1:食品・飲料・アルコール・菓子・調味料・サプリ・アイス・スイーツ
部門 2:化粧品・トイレタリー・医薬品・雑貨・日用品・アパレル
部門 3:家電・ゲーム・通信・自動車・情報サービス・アプリ・交通・物流・旅行
部門 4:店舗・不動産・商業施設・屋号・社名
部門 5:その他
ルーキー部門:発売・発表から2年以内の対象のみ
地域ソウルブランド部門:地域限定等で永く愛されているネーミング(2023年の戦略エリアは福岡県)

2023年 受賞ネーミング一覧
【日本ネーミング大賞】
部門5:初音ミク
 
【優秀賞】
部門1:いまかの / 部門2:リップモンスター / 部門3:キオクシア
部門4:みらいえらぼ / 部門5:初音ミク
 
【ルーキー賞】
chocoZAP/完全メシ
 
【地域ソウルブランド賞】
博多あまおう/棒ラーメン/万能ねぎ/めんべい/アラフォー傾子
 
【審査委員特別賞】
プチプチ/レンタルなんもしない人
 
【レジェンド賞】
タイガー魔法瓶/青春18きっぷ/地球の歩き方/チーカマ/ごはんですよ!

■初音ミク(初音未来) クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
【日本ネーミング大賞、部門5:優秀賞】

「初音ミク」は、歌声合成ソフトウェアであり、同ソフトウェアのキャラクターとして2007年8月31日に誕生しました。その名前は「未来からきた初めての声」という意味を持っており、歌声合成ソフトウェアのキャラクターに名字がつけられたのはこれが初めてだったそうです。日本ネーミング協会は、ネーミングを商品やサービスに命を吹き込むものと捉えています。そういう意味においても、世界中でバーチャル・シンガーとして活躍し、音楽業界に革命をもたらした初音ミクというキャラクターに生命を与えたネーミングが大賞に選ばれました。2023年は、設定年齢と同じ16歳のアニバーサリーイヤーとなりました。

■いまかの 株式会社TONAOKU 【部門1:優秀賞】

薩摩の“白豊芋”を白麹で仕込んだ本格芋焼酎です。そのユニークなネーミングだけで、「どんなお酒なのだろう?」と想像力を刺激し、お酒の席でも会話や笑顔が自然と広がると、審査委員のコメントも好評でした。「となりのおくさんシリーズ」の中には「いまかの」と姉妹品の「もとかの」が存在し、これらをブレンドした飲み方を【修羅場】と称する応募コメントも大変興味深く、審査会が盛り上がったのがとても印象的でした。

■みらいえらぼ 株式会社LIXIL 【部門4:優秀賞】

『未来+家+ラボ』と『未来+選ぼう』の2つの語源を持つこのスマートホーム技術の実験住宅は、『未来の住宅の研究開発施設』と『未来の暮らしを感じて選ぶ』ことを由来としています。このようなダブルミーニングのネーミングは、うまく表現することが難しいものですが、「未来」という言葉がもつ期待感を巧みに表現しながら、同時に新しさと親しみやすさを感じさせてくれます。

■chocoZAP RIZAPグループ株式会社 【ルーキー部門:ルーキー賞】

「choco」「ちょこっと」という言葉を用いて、「5分の運動」という提案を簡潔に表現しています。この言葉があるだけで、面倒に感じられがちなジム通いがぐっと身近に感じられます。さらに、これまでのライザップのハードなイメージを一新し、コンビニジムとしての認知度を高め、新しい価値を生み出しています。

その他、地域ソウルブランド賞の「博多あまおう」「万能ねぎ」、審査委員特別賞の「プチプチ」、レジェンド賞の「チーカマ」など、今年は一般的に普通名称と思われていそうなネーミングが数多く受賞しました。長年にわたって愛されてきたネーミングに込められた意味や歴史、そして社会への貢献を改めて知ることで、ネーミングの重要性と影響力を実感する年となりました。

その他のネーミングの選考理由につきましては、下記URLよりご覧いただけます。