近年、日本のサブカルコンテンツがハリウッドで映画化されるケースが増えています。今年上半期は「アリータ:バトル・エンジェル」「名探偵ピカチュウ」が公開され、この後も「機動戦士ガンダム」「聖闘士星矢」「NARUTO」「君の名は。」「TIGER & BUNNY」などがハリウッドで映画化される予定です。
以前、本コラムでも「映画の原題*邦題」について取り上げましたが
キャラクター名においても日米で違いがあります。今回はその事例を取り上げてみました。
のび太→ Noby、スネ夫→ Sneech、ジャイアン→ Big G/ドラえもん
のび太は発音が女性の名前のようになるため、スネ夫は発音が「SNAIL(カタツムリ)」に似ているため、ジャイアンは「GIANT」に「ぼんやりした、遅い」という意味が含まれているため、改名したそうです。
ちなみに、ドラえもん自身は英語名も「Doraemon」です。
ルパン→ Wolf(フランスではEdgar)/ルパン三世
改名の理由は著作権的な部分が大きいと言われています。ルパン三世は怪盗アルセーヌ・ルパンの孫という設定ですが、アルセーヌ・ルパンは元々モーリス・ルブランの小説の登場人物です。
ルパン三世連載開始当時、アルセーヌ・ルパンの著作権はまだ生きていたのですが、モーリス・ルブラン側から許諾を得ていたわけではなく、海外へ輸出されるにあたり、リスクを回避する上で改名を余儀なくされたようです。
現在、アルセーヌ・ルパンの著作権は切れているため、完全オリジナル版のルパン三世も海外で出回っているそうです。
ミスター・サタン→ Hercule/ドラゴンボール
「SATAN」が「悪魔」の名であるため不適当とされたそうです。原作ではミスター・サタンの娘として「ビーデル(デビル:悪魔、のアナグラム)」が登場するため、「悪魔」という意味は狙って付けられたものなのですが、海外では日本以上に宗教絡みの表現は気を使う必要があります。
改名の結果が「Hercule(ヘラクレス:ギリシャ神話の神様)」という「悪魔」と正反対の表現になっているのが面白いですね。
ラドン→ Rodan/空の大怪獣ラドン
今年公開されたハリウッド映画「ゴジラ キング・オブ・モンスターズ」にも登場している怪獣です。
Rodan(ロダン)への改名の経緯は、「“Radon”では英語で“ラドン”と読めない(“レイドン”と読める)」、「元素記号の“ラドン”と混同する」、「翼竜の“プテロダクティルス”からアレンジした」など諸説ありますが、厳密には分かっていません(裏付けがとれる文献が見つかれば特撮界の大発見です)。
ラドンが最初に海外へ進出したのは1956年のこと。日本のサブカルコンテンツが輸出された黎明期は「理由は定かでないが、気がついたらこうなっていた」というケースも多いようです。
ちなみに「ゴジラ」も、かつてアメリカで配給元の違いから「Gigantis」と改名させられたことがありました。
※文中の改名の理由は、最も一般的に考えられている説です。