普段何気なく使用している文具の中には、ユーモアのあるネーミングが隠れています。今回はその中からベストセラー商品、近年のヒット商品のネーミングの由来をご紹介します。
■マッキー/マーカー(ゼブラ)
当時の開発担当者の方が泊まりこみで、親しみやすいマーカーの愛称を考えて「マッキー」が誕生しました。
実は正式名称は「マッキー」ではなく、「“ハイ”マッキー」で、商品にも“ハイ”と記載されています。両頭式でインクも安全性を考慮したグレードの高い商品であることから、ハイグレードの「ハイ」を付け足したとのことです。
■Dr.Grip/ボールペン・シャープペンシル(パイロットコーポレーション)
1991年に、「何時間使っても指が疲れにくい筆記具」として登場、以来ロングセラーとなっています。
現在、ネーミングの由来について、公式な文献等は見受けられませんが、シリコンラバーのグリップ部分、そして、この商品が広島文教女子大学の宇土博教授との共同開発であったことに起因していると推察されます。
ちなみに、Dr.Grip以外にも宇土教授が関わった商品の大半に「Dr.」が冠されており、「Dr.Move(アクトインテリア)」、「Dr.Chair(コクヨ)」、「Dr.Cut・Dr.Click(ウド・エルゴ研究所)」などがあります。
■ハリナックス/針無しステープラー(コクヨ)
「針」を「なくす」で「ハリナクス」、そこから更に語感をアレンジし「ハリナックス」としたそうです。
2009年に環境配慮や安全などに対するニーズから登場以来、針無しステープラーの代名詞的な存在となっています。
■キリヌーク/カッター(オルファ)
力加減に左右されない安定した一枚切りが可能なカッターで、ネーミングの由来は文字通り「切り抜く」から。
前述の「ハリナックス」と近しいテイストのネーミングですが、文具業界が比較的このようなダジャレ路線のネーミングを好んでいるようです。
「オルファ」という社名の由来も、同社が世界で初めて開発して折り刃式カッターから由来(折る刃→オルハ→オルファ)しています。
■テプラ/ラベルプリンター(キングジム)
ラベルプリンターの代名詞と言える商品です。テプラとは「テープライター」を省略した造語であると同時に、「TEPRA」それぞれの文字にTimely(いつでも)、Easy(簡単に)、Portable(ポータブル)、Rapid(すぐに)、Affix(貼り付けられる)という意味も込められています。
なお、発売前には「ニョロニョロ」「ハリテーナ」「ハルベー」「名付け親」「E名づけ」等も商品名の候補に上がっていたそうです。