今年も早いもので1ヶ月を切り、来年はいよいよ平成最後の年となります。
今回は「平成」を冠した名称について取り上げてみました。
「平成」を冠した名称の例
・帝京平成大学(学校法人)
・平成筑豊鉄道(鉄道事業者)
・平成狸合戦ぽんぽこ(映画)
・平成教育委員会(TV番組)
・Hey! Say! JUMP(アイドルグループ)
1990年代は「平成」=「新しい」というイメージで使われていたと考えられます。東京商工リサーチによると、社名に「平成」を冠した企業は全国で1,270社あり、そのうち半数以上が平成1桁年代に設立されたとのことです。
2000年代、2010年代は「平成“生まれ”」の人がスポーツや芸能などで注目される機会が増え、「若い」というイメージでも使われているように見受けられます。
ちなみに、現在特許庁のデータベースで確認できる最初の「平成〇〇」は、「平成の祝」(加藤嘉八郎酒造株式会社)で、平成元年(1989)1月11日出願、平成3年(1991)11月29日登録となっています。
なお、元号のみからなる商標は識別力がないとして登録できないとされています。識別力のある言葉やマークとの組み合わせであれば、登録の可能性があります。
また、歴史の長い特撮作品は、平成に制作されたものを「平成シリーズ」と呼んでいることが多いです。
【例】
・平成仮面ライダーシリーズ
・平成ゴジラシリーズ
・平成ウルトラシリーズ
・平成ガメラ3部作
どれも昭和と平成を境に作風が大きく変わったことが特徴で、ファンの間でも区別しやすいことから自然発生的に呼称されるようになりました。
しかし、「平成仮面ライダーシリーズ」は今年第20作目を迎え、第1作の年(2000年)に生まれた人が主人公を務めています。一口に「平成」と言ってもその幅は広く、もはや「新しい」というイメージに直結するとは言い切れない状況です。
新元号も様々な名称に冠されることは想像に難くないですが、数十年後も使用に耐えうる表現であるかどうか、よく検討する必要があります。