Column

最新ネーミング事情Vol.117 新しい駅の名前

昨年12月は新たに発表された「あの」駅の名前が大きな波紋を呼びました。
今回は、今年以降に開業・改称予定の駅名を取り上げてみました。

■高輪ゲートウェイ(JR山手線/2020年開業予定)
今回大きな話題を呼んだJR山手線新駅の名称です。
JR東日本のプレスリリースによると「新しい駅が、過去と未来、日本と世界、そして多くの人々をつなぐ結節点として、街全体の発展に寄与するよう選定しました。」とされています。
山手線唯一のカタカナ混じりの駅名であること、山手線で最も長い駅名であることに対して否定的な意見が多く見られているというのが実情ですが、何事も新しいネーミングには違和感を抱かれる傾向があり、時間を経ることで定着する可能性も否定できません。
今回のネーミングを成功と見るか失敗と見るか、その判断はもう少し先の話になりそうです。

■虎ノ門ヒルズ(東京メトロ日比谷線/2020年開業予定)
高輪ゲートウェイ駅とほぼ同タイミングで発表されました。
同じカタカナ混じりの駅名ですが、高輪ゲートウェイほど否定的な意見が見られないのは、「ゲートウェイ」がいささか突発的に出てきた単語(元々、品川地域の再開発コンセプトが「グローバルゲートウェイ品川」ではあったようですが)であることに対し、「虎ノ門ヒルズ」は既にその地にある施設として定着しているからというのが理由であると考えられます。

■南吹田、JR淡路、城北公園通、JR野江(JRおおさか東線/2019年3月開業予定)
今年開業予定のおおさか東線にできる新駅4つの名称です。高輪ゲートウェイと比べ、インパクトこそありませんが、堅実な名称設定だと言えます。
語頭に「JR」が付く2駅については他社線との接続箇所であるため、「JR」を冠しているとのことですが、東京では「JR」を冠した駅名は皆無で、「京王」「京成」など私鉄側が会社の名前を冠しているケースが殆どです。東阪のJR・私鉄の力関係を伺わせます。

■東京ビッグサイト(新交通ゆりかもめ/2019年3月改称予定)
現・国際展示場正門駅が今年改称予定です。現駅名も新駅名も隣接する施設名から来るものですが、正式名称の「東京国際展示場」よりも愛称である「東京ビッグサイト」のほうが定着しているため、改称の判断に至ったようです。
同時に、船の科学館駅も「東京国際クルーズターミナル」に改称予定となっています。