2011年は、東日本大震災をはじめ、大きな出来事が続く激動の1年となりました。エコ系グッズや、Facebook、Twitter、スマートフォンなど、ヒット商品についても、そんな世相を反映した1年であったかと思います。
そんな中、昨年ヒットした商品として挙げられるのが、ぷるぷるとした新しい食感が特徴の「ポン酢ジュレ」です。最近では食感を売りにした食品がヒット商品に名を連ねていることにお気づきでしょうか?今回は、そんな食感系ヒット食品のネーミングの傾向をまとめてみました。
●そのまま表現型
「ふんわり食パン/山崎製パン」
「なめらかプリン/協同乳業」
Vol.4で取り上げた、最も分かりやすいタイプのネーミングです。売り場で商品を見てすぐに特徴が分かるので、食品業界では王道と言えるネーミング手法です。
●オノマトペ型
「ザクリッチ/ロッテアイス」
「ガリガリ君/赤城乳業」
Vol.20で取り上げたタイプのネーミングです。特に食品業界では、よりシズル感が伝わりやすいのが、オノマトペの特徴です。
●例え型
「生ラムネ/森永製菓」
「フェットチーネグミ/ブルボン」
Vol.29で取り上げたタイプです。全く新しいジャンルや、上記2タイプでは形容しにくいものに対して、特に有効かと考えられます。ただ、“生ラムネ ← 生チョコレート”のように、例えのもとになっている表現が、一般的に認知されているかを見極める必要があります。
●キャッチフレーズ・ショルダーフレーズ補足型
「“お口の中でぷるぷる食感” 昆布ポン酢ジュレ/ヤマサ醤油」
「“食べるラー油” 辛そうで辛くない少し辛いラー油/桃屋」
「“噛むとフニャン” Fit’s/ロッテ」
Vol.19で取り上げたタイプで、キャッチフレーズやショルダーフレーズで食感を表現し、ネーミングに関しては、短さや、インパクトを重視したものです。ネーミングそのものの分かりやすさでは劣りますが、一度覚えてもらえれば、そのジャンルの代名詞的なブランドになりうるというメリットがあります。
ご覧のように、食感の表現1つにしても様々な表現手法があり、どのような戦略を立てていくのかが重要です。また、食感の表現(オノマトペなど)は商標登録されているケースも多く、商標法の面でも注意が必要です。
NNRでは、商品特徴を踏まえ、戦略的に有効かつ、登録可能性の高いネーミングをご提案しています。