News Letter

VOL.115 「M」対「W」米中10年越しの商標の争い

下記のマークを見比べてみてください。
左は中国厨房用品メーカーの「万代福(ワンダフル)」のマーク。
右は知らない人がいない「マクドナルドの」マークです。
※「McDonald’s」はマクドナルド社の登録商標です。

資料画像

■問題の経過
事の発端は中国企業がこのWのマークを2001年に中国で商標登録をしたことから始まります。
各種のニュースによりますと、この商標に対して米マクドナルド社は2003年に、同社の「Mのロゴ」に酷似しているとして、中国商標局に登録の取消を求めましたが却下されました。これを不服とした米マクドナルド社は再度の審議を要求していました。
2010年に中国の商標評定委員会は飲食サービス(第43類)において、「万代福(ワンダフル)」の商標登録を取り消しましたが、その他サービスの登録は維持と結論を出しました。 米マクドナルド社はなおも不服として、この「W」商標の全面的取消を求めて訴訟を起こしました。

■それぞれの企業の主張
米マクドナルド社は「W」商標を悪意ある商標とし、「マクドナルド」は有名な商標だと主張しています。中国企業側は、「米マクドナルド社が『W』商標を禁止して、業界独占をたくらんでいる」と主張しています。

■著名商標について
国内や世界中で多くの人に広く知られている商標を著名商標や周知商標と呼びます。
著名商標であれば商標登録をしていない商標分類でも、他社が同一や類似の商標を登録することを禁止することができます。この制度は国によって基準がさまざまですので、注意が必要です。
訴訟は後日判決が言い渡されることになっており、長期間におよぶ中国での商標問題がどのように決着するのか、著名商標の判断も含めて注目されています。
日本ネーミング&リサーチでは中国でのネーミング開発(中文、英文)をサポートいたします。また、中国商標実務の経験豊かな顧問弁理士が御社の商標調査~出願、登録までをバックアップいたします。