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最新ネーミング事情Vol.21 加速するネーミングのグローバル化

インターネットの普及などで、最近ますます加速する産業のグローバリゼーション。 輸出をメインにする企業だけでなく、これまで国内需要がメインだった企業までもが そのターゲットを海外に向け始めています。
そこで問題になるのが商品やブランドなどのネーミング。最初からグローバル化を見据えて英語などをベースに開発されている場合は別として、国内市場向けに開発されたネーミングをそのまま海外で使うのがはたして良いのか。それとも国内と海外では別の2ブランド性でいくのか。中国圏などのネーミングはどうするのかなどなど。
ここでは、国内・海外で使用されている多様なパターンについて、その特徴やメリットなどをご紹介していきます。

●国内と海外でネーミングを使い分けている例

・CALPIS/カルピス(国内)→CALPICO(海外)
日本ではもはや知らないものが無いブランドとなっている飲料メーカーのカルピスですが、米国で発売される際にはCALPISから「カウピス」と発音されるとCOW(牛)のPISS(小便)となり飲料のネーミングとして適さないためCALPICOに変更されました。

・POCARI SWEAT/ポカリスエット・大塚製薬(国内)→POCARI(海外)
日本で初めてのアイソトニック飲料として今やスポーツ飲料の定番ともなっている商品ですが、米国などの英語ネイティブの国では「なぜ飲料のネーミングに汗なのか」という意見が多いため「POCARI」に変更されました。

・Vitz/ヴィッツ/トヨタ自動車(国内)→YARIS(海外)
言わずとしれた人気の小型車ですが、こちらは当初日本以外でYARIS(ヤリス)として販売されましたが、日本向けには「ヤリス」の響きがあまり良くないということで「Vitz」になったとのことです。逆に一部の英語圏では「Vitz」の読みが「Bit(s)」と聞こえるとスラングで「小さな男性器」を意味してしまうため日本のみで使われているそうです。

●国内と海外で同一ネーミングを使用している例

・Viera/ビエラ(パナソニック)
VISION(映像)+ERA(時代)の意味。液晶・プラズマテレビのブランド。短く覚えやすく英語ネイティブにもイメージしやすいと評価されているようです。

・TRANPATH/トランパス(東洋ゴム工業)
TRANSPORT(移動)+PATH(小道)の意味。ミニバンやSUV対応のタイヤブランド。 8文字とやや長めのネーミングですが、タイヤにロゴを表記する際ある程度文字数があったほうが良いという業界の特性にフィットしています。

・TOP IMPACT LINE/トップインパクトライン(アシックス)
あらゆるスポーツのトップアスリート向けに開発されたシリーズ名。欧米向けに多くの人にコミュニケーションしやすい様に造語せずわかりやすい英語の組み合わせとなっています。

NNRでは多様な国で展開するグローバルブランドの開発、海外市場での商標調査・スラング調査などで、ネーミングのグローバル化に対応したサービスを提供することが可能です。