全国各地で次々にオープンしている食パン専門店ですが、その多くを手掛けているのがジャパンベーカリーマーケティング株式会社(以下JBM)のベーカリープロデューサー岸本拓也氏です。
とてもインパクトのあるネーミングとデザインが特徴的で、クスっと笑えるユニークさに一度目にすると忘れることができません。
2019年4月にオープンした【どんだけ自己中】(杉並区荻窪)もその中のひとつです。
ネーミングの由来
「自己中に思われても構わないっ!」パン職人のこだわりが詰まった渾身の高級食パンを楽しんでほしい。という想いが込められています。
その名のとおり、小麦粉、無添加生クリーム、国産バター、京都の老舗蜂蜜店金市商店の《コーヒーの花はちみつ》と、素材1つ1つにもこだわり抜いています。
食パンは1本/2斤単位での販売で、商品名は「自己中な極み(180本)」「自己中アンサンブル(20本)」「自己中なシナモンタくん(10本)」、秋限定で販売される「自己中な“栗”ダンディズム(10本)」と、ここでも自己中を展開しています。 ※( )内は一日の販売本数です。
但し、お客様が注文される際には「プレーン」「アンサンブル/ぶどうパン」「シナモン」「栗」など、味で表現される方がほとんどのようです。
- 極み
素材の味わいをシンプルに楽しめる、プレーンの美味しさを極めました - アンサンブル
合奏、調和。たっぷりの干しぶどうとの調和を味わってほしい1本 - “栗”ダンディズム
2019年発売当初、大人気のバンド「Official髭男dism(ひげだん)」にあやかり栗ダンと愛称で呼んでもらえたら - シナモンタくん
ダンディに対してもう少し可愛らしく、男の子のイメージ
外観
また、店舗の外観にもこだわりが感じられますが、店頭の表記は【どんだけ〝じこちゅー″】とひらがな表記になっています。
ここは議論のポイントにもなったそうですが、デザインから男性的な力強さを感じるため、すべて漢字表記にしてしまうとカタイ職人気質が前面に出すぎてしまうということで、親しみや柔らかさを感じてもらえるように、すべてひらがな表記にされたそうです。
メリット&デメリット
このように変わったネーミングやデザインで展開する場合、そのメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
- メリット
- 誰にでもすぐに覚えてもらえる(忘れられない)
- 取材が多い、写真を撮られることが多い
- SNSへの投稿が多い、#(ハッシュタグ)がつく
- ネーミングと本格的な食パンとのギャップを褒められる
- 年齢層、地域による売上の差が少ない(食パンの需要が高い)
- デメリット
- 食パン屋と分からない、商品の特徴が分からない
- オープン当時は奇抜な名前と言われたことも
- 高級食パン屋ブームで、いつか流行りすたりがくるかもしれない
実際にはメリットのほうが遥かに大きいと感じるそうで、おもしろいと笑顔になってもらえることや、お店の前で写真を撮ってSNSに投稿してくださることが、働いているスタッフの方々の活力にもなっているようです。
JBMプロデュース店舗名
- 考えた人すごいわ
- 午後の食パン これ半端ないって!
- うん間違いないっ!
- 乃木坂な妻たち
- くちどけの朝じゃなきゃ!!
- 夜にパオーン
- 題名のないパン屋
- 君は食パンなんて食べない
- 真打ち登場
- リンゴの次
- くちびるが止まらない
- 街がざわついた