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最新ネーミング事情Vol.75 意外な区切られ方のネーミング

先日デフォルト宣言をして話題になった国、プエルトリコですが、実はプエル・トリコではなく、プエルト・リコ【スペイン語でPUERTO(港)+RICO(豊かな)】と区切ることをご存知でしょうか?

海外の国や地名はもちろん、日本で何気なく使われているネーミングで、意外な区切り方をしているものがいくつもあります。

クアラルンプール(マレーシアの首都)
→ ✕ クアラルン・プール
→ ○ クアラ・ルンプール
【マレー語でKUALA(河口、川の合流地点)+LUMPUR(泥)】 日本人は英語の「POOL(水泳場)」を想起しがちですが、現地で使われているマレー語が語源です。

スリジャヤワルダナプラコッテ(スリランカの首都)
→ ✕ スリジャヤ・ワルダナ・プラコッテ
→ ○ スリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ
【SRI(シンハラ語:聖なる)+JAYAWARDENEPURA(昔の地名、また、第2代大統領のジャヤワルダナより)+KOTTE(植民地時代の名前)】
長い名前の都市として地理の授業で覚えた人も多いでしょう。俳句の五・七・五のように、日本人のリズム感で読まれがちですが、名前が付けられた歴史などを知ると、その区切り方にも納得がいきます。

ヘリコプター
→ ✕ ヘリ・コプター
→ ○ ヘリコ・プター
【ギリシャ語のHELICO(螺旋)+PTERON(翼)の合成語】
ドラえもんの「タケコプター」などから、「ヘリ」と「コプター」を分けて捉えがちですが、ギリシャ語の語源から捉えると、「ヘリコ」と「プター」の分け方が正しいようです。英語でも「HELIPORT」、「GYROCOPTER」といった言葉が存在するので、もはや区切りは時代を経て曖昧になっているのかもしれません。

けつめいし
→ ✕ けつめ・いし
→ ○ けつめい・し
【中国語で決明(エビスグサ)+子(種子)】
生薬の名前で「決明子」と書きます。日本では音楽グループの「ケツメイシ」のイメージが強いですが、漢字にしてみると正しい区切り方が見えてきます。