Column

最新ネーミング事情Vol.48 ネーミングに込められる商品の意味

ネーミングには商品の作り手の思いや、企業の期待など、さまざまな意向が込められます。今回は新製品や技術について、その由来を探ってみました。

●アクア(ハイブリッドカー)
トヨタが新しく発売したハイブリッドカーで、ラテン語の「水」という意味です。「水」に対して、「クリーンさ」や、「水のように自由に広がる」イメージを持たせたとのことで、様々な解釈ができる面白さがあります。

●ギャラクシー(スマートフォン)
サムスン電子社製のスマートフォンのブランドで、意味は「銀河」です。メーカーがどのような気持で名付けられたかはわかりませんが、どこまでも広がる可能性のようなものを感じます。

●IGZO(シャープ液晶技術)
シャープが開発した最新の半導体です。構成密度で、消費電力の低減に成功し、次世代スマートホンやタブレットなど多様なデバイスに採用され始めています。この名前は頭文字型の展開で、インジウム、ガリウム、亜鉛、酸素の英単語のイニシャルを合わせています。日本の人名のようでもあり、インパクトのあるネーミングだと思います。

●O2Oアプリ(スマホなどで展開されるプロモーションアプリ)
現代社会ではもう手放せないスマホですが、ビジネスの現場や一般社会の中でもさまざまな利用方法が考えられています。O2Oはオンライン・ツー・オフラインの略称で、「B2B(Business to Business)」や「B2C(Business to Customer)」などのビジネス用語から派生した言葉と考えられます。企業が顧客のスマホに情報を送り、顧客がスマホを持って来店すれば、ポイントやクーポンなどが配信され、商品の割引を受けられるサービスです。マクドナルドやユニクロのモバイル会員が有名ですね。

●タブレットPC(携帯端末のカテゴリー名)
これは商品名ではなく、新しい携帯端末のカテゴリーをさすネーミングで、「板状の」という意味です。過去に存在しない新製品は、商品ネーミング自体の開発も大事ですが、商品をイメージできるカテゴリー名も大事になってきます。「タブレットPC」は7~12インチ程度のモニターを持った携帯PCの名称として世界中に根付いたといえるでしょう。

●ジェネリック医薬品(後発医薬品)
これも商品名ではなく、カテゴリー名となります。英語では「一般的な」を意味する単語です。医薬品の世界では特許の切れた製品を他の製薬会社が製造するものを表します。新薬と違い、開発コストがあまりからないため安価であり、膨大な医療費を下げる効果が期待されています。