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最新ネーミング事情Vol.42 季節限定商品のネーミング(秋編)

まだまだ残暑が厳しく寝苦しい夜が続く昨今ですが、秋は食欲の秋などと言われ収穫の季節でもあり、美味しい食品や飲料などが出回る時期でもあります。
食品や飲料メーカーでは秋限定の商品を発売して、消費者の美味しさを求める気持ちに訴える手法をとる企業も少なくありません。
今回はそんな中でもビールメーカーの秋限定商品について、取り上げてみました。

●キリン秋味 (キリンビール)
秋限定のビールを出した最初のメーカーで、今年で何と22年目※になるそうです。さすがに最初だけあって、特に造語していない言葉で王道感がイメージされます。秋味は本来は秋に産卵のために川をのぼってくるサケの意味ですが、美味しい食べ物が揃う秋にぴったりのビールというコンセプトが明確に伝わってきます。
※ちなみに季節限定ビールのさきがけである冬物語(サッポロビール)は25年目。

●アサヒ秋宵 (アサヒビール)
これまでは「秋」と名のつく限定ビールは未発売だったアサヒビールですが、今年の8月についに新発売。秋宵とは秋の夜を意味する季語で、秋の夜長に贅沢な気分で 飲むというコンセプトが伝わってきます。宵という字がやや難しいですが、その分本格さが感じられるネーミングです。

●旨味たっぷり 秋楽 (サントリー)
以前は「味わい秋生」という秋限定商品を出していましたが、昨年から「秋楽」に変更になったようです。他社と違い秋楽は造語ですが、コンセプトの「秋を楽しむ、旨味たっぷりのコクと飲みごたえ」を表現したわかりやすい表現になっています。

●日本の彩 PREMIUM 秋の幸 (サッポロビール)
季節限定商品を最初にだした(冬物語)サッポロビールですが、意外にも秋限定はこれまで出されてなかったようです。秋収穫の小麦を一部使用したまさに秋の幸からつくられたビールです。ただパッケージ上では日本の彩PREMIUMに比べて秋の幸の文字が少し小さめなので秋限定のイメージはやや弱めです。

今回は季節限定商品のネーミングということで、「秋」をとりあげましたが、日本は四季の国。秋以外にも様々な季節をテーマにした商品やネーミングがありそうです。
季節にこだわったネーミングを探してみるのも興味深いのではないでしょうか。