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最新ネーミング事情Vol.40 注目の商業施設ネーミング

5月に東京スカイツリーがオープンし、話題を集めていますが、今年は特に、商業施設のオープンラッシュの年であると言えます。
商業施設においても、ネーミングは重要です。今回は、最近注目の商業施設のネーミング事例を取り上げていきます。

・東京ソラマチ
タワーのある街(空の街)が由来。親しみを持てる日本語による名称で、「伝統の下町文化が根付く街であること」、「商業施設の名称としてこれまでにない斬新さ」を表現したとのこと。浅草の「下町」を意識したネーミングと言えるでしょう。

・ダイバーシティ東京
DIVERSITY(ダイバーシティ:多様性)+CITY(街)をアレンジ。また、「お台場」の新名所という意味も込められています。

・渋谷ヒカリエ
「光へ」をアルファベット化。渋谷から未来を照らし、世の中を変える光になるという意志を込めたとのこと。

・NEOPASA
新東名高速道路の商業施設。NEO(新しい)+PA(パーキングエリア)+SA(サービスエリア)が由来。すでに展開しているEXPASA(EXCEED(超える)+EXCELSIOR(さらに高く)+PA(パーキングエリア)+SA(サービスエリア)との関連性も意識したネーミングです。

・あべのハルカス
2014年に大阪阿倍野に誕生する超高層複合商業施設。「晴れ晴れとさせる」という意味をもつ古語「晴るかす」から。完成すると、横浜ランドマークタワーを抜き、「日本一高いビル」となる。

商業施設のネーミングは、何よりも人々に覚えてもらうことがポイントです。ゆえに短く、キャッチーな表現が求められます。
近年では、単純なわかりやすさだけでなく、説明した時に「なるほど!」と思わせるようなネーミングの由来を持たせることがトレンドのようです。
しかしながら、数十年以上使われるネーミングにもなりますので、時が経っても古臭くならない表現にすることも大切で、流行と普遍性とのバランス感覚が重要です。