以前コラムVOL.14で、ファッション業界の中での言葉の変化を取り上げました。
ファッションの世界では以前からある同じアイテムであっても呼び方を変えるだけで、「古い」という印象から「新しい、おしゃれ」といったように印象を大きくかえるものが多数あります。
そのほかの業界でも、元々あった呼び方が表現を変えるだけで、同じ概念でありながら受ける印象は全く違ったものになります。今回はネガティブイメージからポジティブイメージに変化した呼び方を取り上げてみました。
下記例をご覧下さい。
・できちゃった結婚 → 授かり婚、おめでた婚
「できちゃった」という言葉の印象としては否定的なニュアンスがくみ取れてネガティブな印象が強いものでした。しかし、「授かり」や「おめでた」となると言葉も柔らかく、期待感や待望感などのポジティブな印象が強くなります。 ブライダル業界が「できちゃった結婚」のネガティブ要素を取り除くために使用しだしたのがきっかけのようです。
・負け犬 → おひとりさま
少し前に30代以上の未婚、子どものいない女性を「負け犬」と呼ぶ事がありましたが、やはりネガティブな印象が非常に強いものでした。しかし、「おひとりさま」は一人の時間を有意義に過ごす「個」が確率した女性と定義され、外食や洋服などにもお金をかける事ができ、新たな市場としてサービスを生み出す原動力となっています。 また「お」と「さま」が付く事で、上位的イメージや上品さが感じられます。
2例ともほとんど同じ事を言っているのですが、印象が全く違います。ちょっとした言葉のチョイスによってポジティブにもネガティブにもなる事がよくわかります。 商品やサービスでも従来あるものの中で、ネガティブな印象ではなくても、表現方法を変える事で従来よりもよりポジティブな印象を与える事ができるかもしれません。