Column

最新ネーミング事情Vol.18 説明文ネーミングブームの再来

ネーミングの評価要素として「わかりやすい」ことが一番にあげられますが、このわかりやすさを最優先にしたネーミングが増えてきています。 「麦とホップ」(サッポロ)や「やさしいお酢」(ミツカン)などのこのわかりやすいネーミングにあげられるのではないでしょうか。 その流れを受けて「じっくりコトコト煮込んだスープ」に代表される、分かりやすさを最優先した説明文ネーミングの商品がまた増えてきています。

下記で最近の説明文ネーミング商品をご紹介します。

◎「辛そうで辛くない少し辛いラー油」:桃屋
空前の大ヒットでラー油ブームのきっかけになった商品。品薄状態が続いていて、手に入れることも困難。今の説明文ネーミングブームもこの商品が大きく関わっている。「辛そうで辛くない」という部分が消費者の買ってみたいという好奇心をそそっている。

◎「東大合格生の飲むコーヒーはかならず美味しいのか?」:UCC上島珈琲
文藝春秋(「東大合格生ノート」シリーズを発売し、ヒット)との共同開発。最後、疑問文を使うことによって試しに飲んでみたくなるネーミング。

◎「チン!してこんがり魚焼きパック」:小林製薬
「トイレその後に」を発売したわかりやすいネーミングをつける企業として評価が高い企業ならではのネーミング。切り身を手軽に美味しく焼けないという主婦の声を商品化したもの。

■説明文ネーミングをつけるメリット
わかりやすく商品を説明することができます。売り場でもそのカテゴリーの中でいち早く出すことができれば新しさを出すことができます。桃屋の「辛そうで辛くない少し辛いラー油」も今までありそうでなかった商品であることがヒットの一因でもあります。

■説明文ネーミングをつけるデメリット
発売した当初はインパクトがありますが、長年使い続けると消費者に飽きたように感じられることもあります。定番ブランド名+αとして使用するなどの工夫が必要になってきます。 また必然的に文字数が長くなるので、なかなか正式なネーミングを覚えていただけない、その結果、市場に浸透しない恐れもあります。「世界の中心で愛を叫ぶ」→「セカチュー」のように略称ネーミングを自ら発信していくことも改善策として考えられるのではないでしょうか。