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最新ネーミング事情 Vol.166 人気ECサイトのネーミング

一般家庭にインターネットが普及し始めた90年代後半からECサイトが誕生し、スマートフォンの普及、コロナ禍での巣ごもりなどもあり年々市場を拡大しています。

今回は人気・話題のECサイトをピックアップしネーミングの由来をご紹介します。

  • Amazon

1995年アメリカでサービス開始後、2000年に日本語サイト「Amazon.co.jp」が開設されました。
日本では当初書籍のみの取扱でしたが、今では「地球上で最も豊富な品揃え」と謳っています。
そんな品揃えの多さに加え、商品の探しやすさ、商品配送の期間の短さなども人気の秘密です。

Amazonの由来は、世界最大の流域面積を誇るアマゾン川のように、自らの会社が広大なシェアを得られるように願いを込めて名付けられました。
また、社名・ショップが一覧表示された際にABC順で並べられる事が多いため「A」から始まるネーミングにしようと辞書をチェックしたと言われています。

  • 楽天市場

1997年オープン。
当時は大手企業が単独で通販サイトを開設する動きが多い中、出展型ECモールをオープンしました。
従業員6名、楽天市場の出店数は13店舗、サーバー1台からスタートしたようです。
貯まったポイントをグループ会社内のサービスで使用出来ることもあり、ポイントの貯まりやすさや使いやすさが人気となり、今では日本国内のECサイトで1番の売上を誇っています。

名前の由来は、織田信長が施行した事で有名な「楽市楽座」に、明るく前向きな「楽天」のイメージを合わせ、「楽天市場」が誕生しました。

  • ZOZOTOWN

2004年に日本で開設されたファッション通販サイトです。
2011年にグローバルサイト「ZOZOTOWN.com」を開設しました。

想像(SOZO)と創造(SOZO)が行き交う街(TOWN)を組み合わせて生まれたネーミングです。造語で想起性はありませんが、覚えやすく耳に残りやすい音感です。

スマホのアプリで全身のサイズを計測することで、自分にあった服が見つかる「ZOZOSUIT」や、自分の肌の色を計測し、肌の色にあったコスメを見つけることの出来る「ZOZOGLASS」など、独自のプロダクトを開発し、試着や試供ができないECサイトのお悩みを無くす、独自のサービスを提供し話題になりました。

  • SHEIN

近年話題のファストファッションを取り扱う中国発祥の越境ECです。
2012年Sheinsideというブランドを立ち上げECサイトで販売を開始、2014年に「SHEIN」へとリブランドされました。
世界中の若者から注目を集めており、SHEINのアプリダウンロード数はAmazonを抜きECアプリで1位、世界54カ国でのダウンロード数1位など、その人気が伺えます。

SHEINの名前の由来は、既出の「She inside」と老子の言葉から来ています。SHEINの中国名は「希音(Xīyīn)」。これは老子の言葉「大音希声(無駄を極限まで削ぎ落としたものにこそ、究極の美が宿る)」から来ていると言われています。