2025年も早くも2月を迎えました。
2024年の7月には「7」にまつわるネーミングをご紹介しましたが、「2」や「Ⅱ」に関連するネーミングにも興味深いものが数多くあります。
今回は、「2」や「Ⅱ」が付くネーミングを取り上げるとともに、「2があるなら1はあったのか?」という、この種のネーミングに関する疑問についても掘り下げてみたいと思います。
マークⅡ(トヨタ自動車)
1968年から1984年まで「コロナマークⅡ」が正式名称で、「コロナ」の派生モデルとして位置づけられていました。
ただし、「コロナ」の「2代目」という意味ではなく、「上級版」や「発展型」という意味でこの名称が付けられています(ちなみに、初代「コロナマークⅡ」は3代目「コロナ」をベースにしています)。
このような経緯から、ベースモデルの「コロナ」が「コロナマークⅠ」として扱われることはありません。
本シリーズは、1984年に「コロナ」の名が外れ、その後2004年に「マークX」と改名。2020年まで生産が続けられました。
なお、「マーク+数字」という表現は、イギリス軍が兵器の改良型に対して「マーク○○」と呼称したことから広まったと言われています。そのため、「ガンダムMk-Ⅱ(架空のロボット兵器)」や「セガ マークⅡ(ゲーム機)」など、メカニカルな性格を持つものに用いられる傾向があります。
SK-Ⅱ(P&G)
由来は「Secret Key II」であり、「美しい肌の秘密の鍵」という意味に加え、「次世代」という思いが込められています。
同ブランドの基幹商品である「フェイシャル トリートメント エッセンス」は、当初「SECRET KEY II」の名称で販売されていました。
ブランド誕生時から「SK-II」という名称であったため、「SK-I」は存在しません。
ストリートファイターⅡ(カプコン)
1991年にゲームセンターで稼働を開始した対戦格闘ゲームです。「ストⅡ」という愛称は、ゲームに詳しくない方でも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
本作は、1987年に稼働した『ストリートファイター』の続編として開発され、シンプルに「Ⅱ」とナンバリングされています。続編の方が前作より有名になった、珍しい例と言えるでしょう。
現在、ナンバリングタイトルは第6作目まで発売されており、最新作『ストリートファイター6』では従来のローマ数字(Ⅱ~Ⅴ)ではなく、アラビア数字(6)が採用されています。開発プロデューサーによれば、「SNSで話題にしたり検索したりする際、英数字の方が扱いやすい 」という理由から、表記を変更することが決定されたとのことです。
プレイバックPart2
山口百恵さんが歌唱した有名曲です。この楽曲は阿木燿子さんと宇崎竜童さん夫妻による作詞・作曲ですが、当初完成していた『プレイバック』がレコード会社スタッフによって差し戻され、一晩で作り直された経緯があります。このため、皮肉を込めて「Part2」というタイトルが付けられたと、宇崎さん本人が語っています。
なお、『プレイバックPart1』も存在しますが、時系列的には「Part2」より後にリリースされています。「Part1」は馬飼野康二さんが作曲したもので、『プレイバック』制作時の候補曲の一つでした。この曲はアルバム『THE BEST プレイバック』に収録されており、「Part2」との間に直接的な関連性はありません。