News Letter

VOL.153 改名して売れた商品

ネーミング戦略に関して「ネーミングを変えて売れた商品があるのか」という質問を多くいただきます。売上が伸び悩んだ商品に対してネーミングを変えて再チャレンジをするのは勇気がいることですが、実際に改名して売れた事例はいくつもあります。

「モイスチャーティッシュ」→「鼻セレブ」 王子ネピア
1997年に保湿ティッシュ(ローションティッシュ)として発売。
「保湿ティッシュ」であることは読んで字の如くなのでストレートに伝わるのですが、印象が弱く、売上が伸び悩んでいたそうです。2004年に「鼻セレブ」という名称に変更。パッケージのインパクトとも相まって、改名前と比べて売上が10倍以上になったとのことです。

「カップカレーライス」→「カレーメシ」 日清食品
2013年にライスとルーと具材が全て一つのカップに入ったインスタントカレーライスとして発売されました。しかし、ライスとカレーが最初から混ざっているなど、「カレーライス」というネーミングと実際の仕上がりにギャップがあり、売上は振るわなかったようです。半年後に「カレーメシ」に改名。「カレー“ライス”」ではない新ジャンルのメニューとして再提案し、当初の計画比で1.5倍の売上を記録しました。

「パレット」→「スペーシア」 スズキ
「絵の具が“パレット”の上で多彩な色を生み出すように、様々なライフスタイルを楽しむことができるクルマ」という意味で、2008年当時ヒットしていたトール型軽ワゴン車のカテゴリーで発売されました。軽自動車らしいポップさは感じられるのですが、ダイハツは「タント(イタリア語で“たくさんの”)」、ホンダは「N-BOX(箱型の形から)」と、空間の広さをイメージさせるネーミングで展開しており、それら競合と比べると大ヒットとは行かなかったようです。2013年にフルモデルチェンジし、名称も「スペーシア(SPACE:空間、からの造語)」に変更。改名前より売上もアップしたとのことです。

「クララ」→「龍角散ダイレクト」 龍角散
「クララ」は1960年代から40年以上続いていたブランドで、水なしでも飲める顆粒薬として展開されていました。短く覚えやすそうなネーミングですが、実際の認知度は思うほど高くなかったそうです。
2008年に「龍角散ダイレクト」としてリニューアル、龍角散のブランドバリューを活かしつつ「水なしで服用して喉に直接作用」という意図で「ダイレクト」と表現しました。結果として「クララ」を知らない若年層までユーザーを拡大させることに成功し、最盛期の「クララ」の2倍以上の売上アップにつながったとのことです。

ここまで紹介した商品の改名前に見られる傾向は大きく分けて2タイプあり、
 ・商品内容は分かりやすいが印象に残らない
 ・ブランド感はあるが、商品内容がわかりにくい
という点が挙げられます。分かりやすさを重視するか、ブランド感を重視するか、そのバランスを上手く取ることがネーミングには重要です。