News Letter

VOL.137 商標分類と類似群コード

商標に関することでご質問が多いのが、「商標分類」と「類似群コード」です。

■「商標分類」と「類似群コード」とは?
「商標分類」は特許庁が定めた商品・サービスの区分です。商品が第1類~第34類の34区分、サービスが第35類~第45類の11区分あります。これは国際的に決められたもので、海外でも基本的に同じ分け方がされています。「類似群コード」は、商標分類をさらに細かく分けたものです(こちらは、中国や台湾等でも採用されており、国によって分け方が異なります)。
例えば酒類の商標分類である、第33類では下記の4つに類似群コードが分かれています。

28A01・・・・・・・・日本酒、焼酎、みりんなど
28A02・・・・・・・・洋酒、果実酒(ワイン)、チューハイなど
28A03・・・・・・・・中国酒
28A04・・・・・・・・薬味酒
※また、ビールは第32類の28A02に分類されています。■商標分類の新設や改定もあります
100年以上も続いている商標制度ですので、新しいカテゴリーの商品が生まれると、既存の商標分類では対応できないこともあります。商標法は時代時代に応じて、分類や類似群コードの変更や新設が行われます。

・サプリメント
原料に応じて第29類(動物性食品)または第30類(植物性食品)の「加工食品」で代用 → 「サプリメント」として第5類(サプリメント)に移転&統合(2012年)
・3Dプリンター
第7類(加工機械)に「3Dプリンター」を新設(2015年)
先述の酒類が第33類なのに類似群コードが28で始まるのは、そのような改定を繰り返してきた名残 と言えます。

■このネーミングはどの商標分類に入るのか?

・本や漫画のタイトル
題号(書籍のタイトル)はその商品の出どころを示すものではないと考えられており、原則として、商標ではないとされています。一方、週刊誌等の雑誌のタイトルは定期的に刊行されるため、原則として、自他商品識別力を有し、第16類(雑誌・印刷物)での登録が認められています。また、漫画のタイトルなどキャラクターグッズ展開が考えられるものは、そのグッズの分類(第25類/被服、第28類/おもちゃ、など)での登録が一般的です。
・政党名
「政治活動」に相当する商標分類は存在しません。「政治活動」は営利目的で行うものではないという原則があるので、商品やサービスに該当しないからです。政治のセミナー(第41類)や携帯電話のストラップ(第9類)などでの登録事例はいくつかあるようです。