News Letter

Vol.86 「メガ」は商標登録可能? ~記述的表現について~

2007年もヒット商品がたくさん生まれ、同じようなコンセプト商品が複数の会社から発売されるという状況が多く見られました。中でも印象深いのがハンバーガーをはじめとする『メガ食品』ではないでしょうか?健康志向が叫ばれる中、マクドナルドの「メガマック」は754キロカロリーにもかかわらず多くの人が買い求め、2008年になってもシリーズとして定着しつつあります。他にもファミリーマートからは「メガ弁当」、ミニストップからは「メガティラミス」、すき家からは「メガ牛丼」が販売されました。これらの商品に共通して使われている言葉、「メガ」には商標上の顕著性があるのでしょうか?

■商標分類によって登録状況はさまざま
「メガ」を辞書で引くと(すごく大きい、巨大な、ものすごい、最高の)とあります。
ここで気になるのが「ビッグ」や「ロング」など大きさや長さを表すだけの言葉は”記述的表現”であるため、単体では多くの分類で出願が拒否されやすいことです。「メガ」も同じ”記述的表現”であるとされるなら、誰も独占使用ができないと同時に誰もが使える言葉ということになります。
登録を見ると「メガ」は単体で数社からの登録が確認されています(下記表)。
また同じような意味の「ギガ」(10億の意味)も複数社で登録があります。
マクドナルドは「MEGA MAC」で商標第43類(飲食物の提供)で出願中です。下記の登録状況から見て、商品やサービスによっては、「メガ」や「ギガ」単体は記述的表現には含まれないと判断されているようです。

【商標登録一例】

メガ大日本インキ化学工業(1類/化学品)
マツダ(7類/土木機械用具ほか)
日本油脂(30類/調味料ほか)
ギガコーセー(3類/化粧品ほか)
アライヘルメツト(9類/ヘルメットほか)
バンダイ(28類/おもちゃほか)

■商標の記述的表現とは
主に「地名」「品質」「効果」「数量」などが記述的表現とみなされています。
具体的には「東京」「ニューヨーク」「グッド」「ビッグ」「治る」「痩せる」「2」「セカンド」「ネオ」などです。(※商標分類によって例外も存在します)

消費者に商品の利点をわかりやすく伝えるのがネーミングの大きな役割ですが、記述的表現は特定の企業が独占してしまわないよう、単独の単語では商標登録が認められないのが基本です。 ただし「ナオール」「ヤセール」など、極めて記述的表現に近い形で登録が認められている例があることも事実です。