News Letter

Vol.71 正露丸パッケージ・デザインの酷似?

大幸薬品(大阪府吹田市)は「ラッパのマーク」の正露丸でよく知られています。この大幸薬品が、「イズミ正露丸」を販売している、和泉薬品工業(大阪府和泉市)を相手に、正露丸のパッケージ・デザインが酷似し、著名商品に似た表示を禁じる不正競争防止法に違反するなどとして、製造販売の差し止めと損害賠償を求める訴訟を2005年11月に大阪地裁に起こしました。 ※読売新聞記事より

■正露丸は商標法では普通名称

「正露丸(せいろがん)」は1954年大幸薬品によって、いったん商標登録されました。 しかし和泉薬品工業がその取消を求めた訴訟で、最高裁が1974年に「正露丸は普通名称」として、登録を取り消す判断をしています。よって、文字商標として「正露丸」を使用することは、商標法上は問題がないことになります。 ※普通名称とは、ワードプロセッサー、はちみつドリンク、沢庵漬け、清酒など取引業界において、商品やサービスの一般的な名称であると認識されるにいたったものです。

■パッケージの類似は不正競争防止法であらそわれる?

両社ともオレンジ色の箱に、赤い文字で正露丸の書体が縦書きではいっています。 またラッパのマークとひょうたんマークが、それぞれ白い円の中に赤い図形で描かれています。 私たちが客観的に見ると、とてもよく似たデザインのように思われます。 この点、大幸薬品は、パッケージの展開写真について登録第2621061号商標を持っています。 しかし、ラッパのマークとひょうたんマークという最も目の引く部分で相違していることから、商標権の類似範囲だけではなく、不正競争防止法によるパッケージ全体のトレードドレスとしての保護を求めたものと思われます。過去にも多くの製品のデザインやカラーリングの類似に関する訴訟が起こされています。最近ではサッポロビールの「黒ラベル」が、サントリー「モルツ」に対し、瓶ラベルと缶デザインが類似しているとの訴訟を起こしたことが、耳新しいところでしょうか。 ※H12年の商標法改正から、弁理士も不正競争防止法を扱えることになりました。

■図形商標の役割

商標法での図形商標は、読めない図形や記号をさします。また平面的なキャラクターなども登録できます。 場合によっては、文字商標以外にも、図形商標でも権利の保護を考えておくことが重要です。 権利が及ぶ範囲について、各界の注目を集めています。