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VOL.168 ネーミングを補足するキャッチフレーズ

ネーミングは短い文字で商品の特徴やイメージを伝えることができる便利なツールです。
しかし一般的なネーミングは3~7文字程度と短いため、複数の特徴や商品メリットを伝えることは難しいという側面もあります。
そこで活用されるのがネーミングを補足するキャッチフレーズです。
ネーミングでは表現できなかった商品の特徴や具体的なメリットなど、文章を通じてより分かりやすくユーザーに伝えることができます。
今回はネーミングを補足するキャッチフレーズの最近の実例を、大きく2つのタイプに分けてご紹介します。

補足説明タイプ

  • ネーミングだけだと伝わりきらない特徴を説明的なコピーで表現するタイプです。
  • 「ヤクルト史上最高密度の乳酸菌シロタ株/ストレス緩和 睡眠の質向上 腸内環境改善」
    Yakult1000/Y1000(ヤクルト本社)

ネーミングだけでは伝えきれないスペックや機能をキャッチフレーズで補足しています。
2022年最大のヒットと言っても良い商品ですが、実は宅配用と店頭用で2種類の商品が存在し、それぞれ強調するフレーズを変えています。
宅配用のYakult1000では「ヤクルト史上最高密度の乳酸菌シロタ株」が、店頭用のY1000では「ストレス緩和 睡眠の質向上 腸内環境改善」が強調されており、宅配用の定期顧客には商品スペックを、店頭の新規顧客にはわかりやすいメリットを訴求しているようです。

  • 「栄養とおいしさの完全バランス」
    完全メシシリーズ(日清食品)

「完全」や「パーフェクト」はなかなか規制が多くネーミングやキャッチフレーズに使用することは難しいと言われていますが、それだけにインパクトがあり強い表現です。
「何」が「完全」なのかをキャッチフレーズで補足しつつ、ネーミングと同じ単語を使用することで、より印象に残るものとなっています。

  • 「新、体感。レンジで冷たく仕上がる驚き」
    冷やし中華(ニチレイフーズ)

「氷入りでレンジでチンする」という衝撃的なコンセプトで大ヒットしました。
ネーミングは「冷やし中華」という一般名称であるため、キャッチフレーズでその斬新な食べ方をわかりやすく伝えています。
またデザインで「新、体感。」を強調し、消費者の目を引く役割も果たしています。

強調タイプ

  • ネーミングと同じ方向性を、別の言葉やコピーで表現するタイプです
  • 「朝が変わる」
    アリナミン ナイトリカバー(アリナミン製薬)

ネーミングでは夜、コピーでは朝という対照的なワーディングが印象的な表現です。
飲んで寝ている間に疲労回復というコンセプトなのでネーミングはナイトリカバーなのですが、それによって翌朝が快適になるというメリットを時間軸でわけて強調しています。

  • 「魅惑のアブラ/欲望のにんにく」
    やみつきにんにく背油 (エスビー食品)

パンチの効いた濃厚な味わいが人気の具入り調味料です。「やみつき」という印象的なワードを使用したネーミングに、キャッチフレーズで「魅惑」「欲望」という言葉を重ねることで強調しています。
また背脂醤油の濃厚な味わいと、旨味の強い粗切りにんにくの美味しさを説明的にならずに伝えています。

  • 「たんぱく質であなたにプラス」
    TANPACT(明治)

ライフスタイルに合わせて朝食、昼食、夕食、間食まで幅広いシーンで乳たんぱくを摂取できる商品群です。
ネーミングからたんぱく質を摂取できることが何となくイメージできますが、コピーでは「たんぱく質」と丁寧に伝えることで、どの年代のターゲットにもきちんと説明できています。

(上記の事例は2022年12月時点のものです)

NNRではネーミングの問題点や足りない部分をクリアして、商品の魅力をアピールするキャッチフレーズ開発をご提案することが可能です。 ※キャッチフレーズ開発のみも承ります。