ネーミングの原則として、ターゲットを限定する表現は普通はあまり歓迎されません。
男性向け、女性向けがわかり過ぎるものや、年齢的に狭く限定されるネーミングでは 幅広いターゲットには不向きだと見なされるからです。 ただこれはあくまで原則であって、やはりネーミングにも例外は存在します。 今回はそんなターゲットをあえて限定したネーミングをご紹介します。
■年齢層を限定したネーミング
このジャンルでやはり一番多いのが「大人○○」というネーミング。文字通りターゲットを大人に絞り込んだものから、高級感や本格感をイメージするために「大人」を使用したもの、これまで若年層をターゲットにしていた商品のエクステンションを狙ったものなど様々なパターンがあります。大人に比べて子供向けや若年層を限定したネーミングはやや少ない傾向にあります。
・大人ワンダ (アサヒ飲料) ・ボス 大人の流儀 (サントリー) ・大人のやすらぎフルーツオレ (キリントロピカーナ) ・心にとろける大人のプリン (森永乳業) | ・ヤングアクション (ユニチカ) ・子供バナナ (ドール) ・コドモダケ (エヌ・ティ・ティ・ドコモ) |
■性別を限定したネーミング
このジャンルで最近目立つのが「男○○」というネーミング。単にターゲットを男性にしたということだけでなく、力強さや意外性なども狙った商品も増えています。特許庁のデータベースで検索すると「男○○」のネーミングは519件(登録・出願を含む)に対して「女○○」が579件とやや女性が優勢ですが、これが「男の○○」だと221件に対し「女の○○」が54件と男女が逆転します。
・男梅 (ノーベル) ・男のイタリアン (モンテローザ) ・男のプッチンプリン (グリコ乳業) ・男の美脚シリーズ (アキレス) ・男の美白 (マンダム) ・オトコアーモンド (カバヤ食品) | ・女の子のためのウコンのゼリー (ノルコーポレーション) ・女子鍋withコラーゲン (日本ハム) ・女子会梅酒 (宝ホールディングス) |
■あえてターゲットを限定することも必要
ご紹介したようにターゲットを限定したネーミングは強い印象を残し、記憶に残りやすいという特長をもっています。もちろん限定することのデメリットはありますが、誰にでも受け入れられる商品が少なくなる昨今では、今後こういったターゲット限定の表現はますます求められるのではないでしょうか。