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Column. 204 フードデリバリーサービスのネーミング戦略

2026年3月フードデリバリーの「Wolt」がポートフォリオの見直しを理由に、日本でのサービスを終了しました。
日本におけるフードデリバリーは、もともと「出前文化」として古くから存在し、寿司やうどんなどを店舗から直接届けるスタイルが主流でした。
その後、スマートフォンの普及やコロナ禍をきっかけに、複数の飲食店をまとめて注文できるサービスが普及し、競争は一気に激化しました。

現在、日本のフードデリバリーは、
出前文化→プラットフォーム化(2016年〜)→生活インフラ化(2020年~)→再編・選別期(2025年~)という変化を辿っていると考えられます。
こうした変化に伴い、ネーミングも「分かりやすさ重視」から「機能価値の訴求」へシフトしています。

■ 出前館

2000年からサービスを開始しており、注文仲介サービスとしては日本では最古参の部類に入ります。創業当時はFAXなどが使用しており、現在のようなアプリを使用したシェアリングデリバリーサービスを開始したのは2017年からとなっています。
「出前」という日本人に馴染み深い言葉と「館」で“集まる場所”をイメージし、幅広い世代へのわかりやすさや安心感のあるネーミングです。

■ Uber Eats

2014年にアメリカでサービスを開始、2016年には日本に進出しました。
ギグワーカー(個人配達員)のモデルを日本で確立させ、飲食店舗の参入ハードルを下げることで提携店舗を拡大させた先駆けと言われています。
配車サービスから派生したフードデリバリーで、「Uber」の信頼性やブランド力と「Eats」で食の体験をわかりやすく表現しています。

■ menu

激化するフードデリバリー業界に2019年参入しました。
大手チェーンの注文はもちろん、老舗の高級店や行列店など幅広い店舗選びや、デリバリーだけではなく、テイクアウトにも対応していることが特徴のサービスです。
飲食店でメニューを見て選ぶ行為をそのままネーミングに採用した、シンプルなネーミングです。

■ Rocket Now

2025年1月に東京でサービスを開始した、韓国発のフードデリバリーです。
配送料やサービス料が一切無料で、ラインナップの多くが店頭価格と同じ価格に設定されているため、他に比べ格安で利用できることが特徴です。
早さや今すぐ、をイメージする「ロケット」と「ナウ」を重ねて表現した、スピード配送を訴求したネーミングです。
今では北海道から九州まで、エリアを拡大しています。