高度経済成長期やバブル期に建てられた施設の老朽化に伴い、日本各地で再開発が進んでいます。
2020年代も折り返しを迎えた現在、近年の商業施設(複合施設)におけるネーミングやコンセプトの傾向を整理し、その背景にある要因について考察します。
根強い人気「日本語をアレンジ」
2012年に開業した「渋谷ヒカリエ」を皮切りに、日本語の造語をベースにした施設名が増加しました。今となっては「ヒカリエ」も10年以上前の施設となりますが、この手法はいまなお根強い人気を誇っています。
- ココノ ススキノ(札幌市中央区・2023年)
- 渋谷アクシュ(東京都渋谷区・2024年)
- ゆめが丘ソラトス(横浜市泉区・2024年)
- なノにわ(大阪市中央区・2025年)
- ミナモア(広島市南区・2025年)
短い音で言いやすく、日本語由来ならではの覚えやすさ、親しみやすさがポイントです。
新たな潮流「四字熟語」
これまでは、日本語由来であっても、アルファベットやカタカナ表記が主流でした。
しかし近年では、四字熟語のような「純日本語」のネーミングも登場し始めています。
- 大宮門街(さいたま市大宮区・2022年)
- 道玄坂通(東京都渋谷区・2023年)
- 豊洲 千客万来(東京都江東区・2024年)
まだ事例は多くないものの、インバウンド需要の急増を背景に、今後は日本らしい格式感や伝統を意識したネーミングが増える可能性が高いと考えられます。
トレンドワードは2つの「G」、「GREEN」と「GATE」
時代とともに、施設名で使われるトレンドワードも移り変わっています。
ここでは、近年特に多く目にする「グリーン(GREEN)」と「ゲート(GATE)」の2つに注目します。
グリーン
環境意識の高まりや都市緑化の推進を背景に、「自然との共存」をコンセプトに掲げる施設が増えています。
このような施設では、公園や芝生広場を併設するケースも多く、施設の特徴に紐づける形で「グリーン」を名称に取り入れています。
- グリーンスプリングス(東京都立川市・2020年)
- グラングリーン大阪(大阪市北区・2025年)
- グリーンテラス表参道(東京都港区・2025年)
近似するイメージワードとして「パーク」「フォレスト」「ヴィレッジ」なども見られますが、「グリーン」は施設の場所やスケールを問わず使用しやすく、サステナビリティを意識した現代的な価値観と特に親和性が高い点が特徴です。
ゲート
JR山手線の新駅名が「高輪ゲートウェイ」となり話題になったことは記憶に新しいですが、「ゲート」を含む施設名も増加傾向にあります。
- フォレストゲート代官山(東京都渋谷区・2023年)
- イノゲート大阪(大阪市北区・2024年)
- ベースゲート横浜関内(横浜市中区・2026年予定)
これらの施設はいずれも駅直結または駅近に立地しており、商業施設に留まらず、街・生活・文化をつなぐハブとしての役割を強く意識していることがうかがえます。
また、「ゲート」という言葉には、開放感、未来への入口、可能性といった前向きなニュアンスがあり、単なる「建物」を超えた広がりのあるイメージを与える点も特徴です。
NNRでは、施設のコンセプトに即したネーミングを、最新のトレンドを踏まえてご提案することが可能です。